1
00:00:10,719 --> 00:00:13,221
ＳＦ作家の型破りな想像力も

2
00:00:13,304 --> 00:00:16,141
ブラックホールには
かなわない

3
00:00:18,143 --> 00:00:22,230
その天体は
非常に強い重力を持ち

4
00:00:22,731 --> 00:00:24,899
全てを飲み込んでしまう

5
00:00:29,404 --> 00:00:31,740
もし境界線を越えたら

6
00:00:32,657 --> 00:00:34,451
後戻りはできない

7
00:00:37,245 --> 00:00:41,082
2017年１月
メキシコ セルダン

8
00:01:18,161 --> 00:01:21,956
あの２つの山を見ると
いつも胸が高鳴るよ

9
00:01:23,792 --> 00:01:28,046
数時間で
頂上に登れそうに見える

10
00:01:30,048 --> 00:01:34,219
でも実際はかなり標高が高い

11
00:01:40,892 --> 00:01:45,271
小さい頃は
全く天体に興味がなかった

12
00:01:46,773 --> 00:01:49,567
でもブラックホールは違った

13
00:01:50,652 --> 00:01:53,154
“宇宙には
面白い物がある”と

14
00:01:53,238 --> 00:01:55,490
子供ながらに思った

15
00:02:00,870 --> 00:02:03,331
イベント･ホライズン･(ＥＨＴ)
テレスコープは

16
00:02:03,414 --> 00:02:07,001
国際協力チームが開発した
望遠鏡だ

17
00:02:08,086 --> 00:02:11,464
圧倒的な感度と解像度で

18
00:02:11,965 --> 00:02:14,968
ブラックホールの周辺を
観察する

19
00:02:16,261 --> 00:02:18,054
史上初の試みだ

20
00:02:24,185 --> 00:02:27,063
僕たちが追い求めている物は

21
00:02:27,147 --> 00:02:29,524
形がないかもしれない

22
00:02:31,693 --> 00:02:34,112
でも絶対に見つけてみせる

23
00:02:40,702 --> 00:02:45,165
標高5000メートルにもなると
空気が澄んでる

24
00:02:49,711 --> 00:02:52,839
より鮮明に
宇宙を観測するには

25
00:02:53,423 --> 00:02:55,133
標高の高さが重要だ

26
00:03:09,564 --> 00:03:13,276
チームが目指すゴールは
非常に明確だ

27
00:03:15,778 --> 00:03:18,781
“ブラックホールの
写真を撮ること”

28
00:03:22,493 --> 00:03:25,038
{\an8}大型ミリ波望遠鏡(ＬＭＴ)
標高約４６００メートル

29
00:03:25,038 --> 00:03:26,372
{\an8}大型ミリ波望遠鏡(ＬＭＴ)
標高約４６００メートル
昨日の午前の時点では

30
00:03:26,372 --> 00:03:28,041
{\an8}昨日の午前の時点では

31
00:03:28,124 --> 00:03:31,878
フロントエンドのシステムは
問題なく動いた

32
00:03:32,378 --> 00:03:34,923
ＬＭＴには１月に来た

33
00:03:35,423 --> 00:03:38,551
いわば予行演習をするためだ

34
00:03:39,344 --> 00:03:41,346
問題点を洗い出す

35
00:03:41,971 --> 00:03:45,475
ガンの交換時に
電源が切れたから

36
00:03:45,558 --> 00:03:47,393
解決策を考えてる

37
00:03:47,477 --> 00:03:50,521
今日中にガンを復旧したい

38
00:03:50,605 --> 00:03:53,191
でも前のガンに戻したら

39
00:03:53,983 --> 00:03:56,361
ＥＨＴとの互換性がある

40
00:03:56,444 --> 00:04:00,156
観測は１月と４月に実施する

41
00:04:00,698 --> 00:04:03,076
４月に世界中の
電波望遠鏡を結合させて

42
00:04:03,076 --> 00:04:04,786
４月に世界中の
電波望遠鏡を結合させて

43
00:04:03,076 --> 00:04:04,786
{\an8}シェップ･ドールマン
ＥＨＴプロジェクト代表

44
00:04:04,786 --> 00:04:04,869
{\an8}シェップ･ドールマン
ＥＨＴプロジェクト代表

45
00:04:04,869 --> 00:04:09,040
{\an8}シェップ･ドールマン
ＥＨＴプロジェクト代表

46
00:04:04,869 --> 00:04:09,040
ブラックホールの撮影に
挑戦するんだ

47
00:04:09,040 --> 00:04:09,249
ブラックホールの撮影に
挑戦するんだ

48
00:04:09,332 --> 00:04:12,377
完璧な状態で本番に臨みたい

49
00:04:12,460 --> 00:04:18,007
まずはガンを復旧して
232,1ギガヘルツを出すこと

50
00:04:18,091 --> 00:04:20,551
できない場合はどうする？

51
00:04:20,635 --> 00:04:21,636
代替案は…

52
00:04:27,100 --> 00:04:32,146
望遠鏡が大きいほど
より小さな天体が観測できる

53
00:04:32,772 --> 00:04:34,524
遠く離れた天体の
観測は難しい

54
00:04:34,524 --> 00:04:36,234
遠く離れた天体の
観測は難しい

55
00:04:34,524 --> 00:04:36,234
{\an8}ゴパール･ナラヤン
電波天文学者

56
00:04:36,234 --> 00:04:36,401
{\an8}ゴパール･ナラヤン
電波天文学者

57
00:04:36,401 --> 00:04:40,446
{\an8}ゴパール･ナラヤン
電波天文学者

58
00:04:36,401 --> 00:04:40,446
楕円(だえん)銀河Ｍ87の
ブラックホールだと

59
00:04:40,446 --> 00:04:40,530
{\an8}ゴパール･ナラヤン
電波天文学者

60
00:04:40,530 --> 00:04:41,447
{\an8}ゴパール･ナラヤン
電波天文学者

61
00:04:40,530 --> 00:04:41,447
地球サイズの望遠鏡が必要だ

62
00:04:41,447 --> 00:04:42,949
地球サイズの望遠鏡が必要だ

63
00:04:46,035 --> 00:04:51,165
それを作るのは不可能なので
別の方法を考えた

64
00:04:54,168 --> 00:04:56,838
世界中にある望遠鏡を使い

65
00:04:56,921 --> 00:05:00,591
一斉に
ブラックホールに向ける

66
00:05:05,638 --> 00:05:10,560
例えて言うなら
大きな鏡をハンマーで割って

67
00:05:11,144 --> 00:05:14,856
破片を世界中に
配置するような感じだ

68
00:05:16,566 --> 00:05:20,737
破片に映った画像を
１ヵ所に集め

69
00:05:20,820 --> 00:05:23,823
再び１つの鏡に組み立て直す

70
00:05:24,282 --> 00:05:26,409
それがＥＨＴの仕組みだ

71
00:05:27,618 --> 00:05:31,789
全ての拠点で
正確な作業が求められる

72
00:05:32,874 --> 00:05:34,292
損傷してる

73
00:05:36,044 --> 00:05:37,086
輸送中に？

74
00:05:39,130 --> 00:05:42,342
もし煙が出たら故障してる

75
00:05:46,262 --> 00:05:48,097
まだテストが必要だ

76
00:05:48,556 --> 00:05:50,850
明日は実際の観測をする

77
00:05:51,434 --> 00:05:55,271
今回参加するのは南極
スペイン チリ

78
00:05:55,772 --> 00:05:57,607
そしてここＬＭＴ

79
00:05:58,149 --> 00:05:59,776
時間がない

80
00:06:00,360 --> 00:06:03,404
「ミッション:
インポッシブル」だね

81
00:06:05,865 --> 00:06:08,785
{\an8}２０１７年１月27日
テスト観測当日

82
00:06:08,785 --> 00:06:09,786
{\an8}２０１７年１月27日
テスト観測当日

83
00:06:08,785 --> 00:06:09,786
望遠鏡が見えなくなってる

84
00:06:09,786 --> 00:06:12,163
望遠鏡が見えなくなってる

85
00:06:12,330 --> 00:06:13,831
あまり良くない

86
00:06:13,915 --> 00:06:15,708
何なんだ？

87
00:06:17,794 --> 00:06:19,170
何が起きてる？

88
00:06:19,253 --> 00:06:20,129
天候だね

89
00:06:22,173 --> 00:06:23,591
冗談だろ？

90
00:06:23,674 --> 00:06:26,427
16時間前は問題なかった

91
00:06:26,511 --> 00:06:29,180
それが直前でこれか

92
00:06:32,767 --> 00:06:33,601
最悪だ

93
00:06:34,477 --> 00:06:37,313
こんな天候じゃ観測できない

94
00:06:37,897 --> 00:06:39,482
開始時間は…

95
00:06:39,565 --> 00:06:41,359
今から40分後

96
00:06:42,693 --> 00:06:44,362
いや 35分後だ

97
00:06:45,446 --> 00:06:50,410
このままだと気温が下がって
凍結の心配も出てくる

98
00:06:51,494 --> 00:06:52,870
あり得るね

99
00:06:52,954 --> 00:06:55,540
そうなるのを心配してた

100
00:06:56,916 --> 00:07:00,044
各自 好きな方法で
願掛けをして

101
00:07:00,128 --> 00:07:01,629
乗り切ろう

102
00:07:02,255 --> 00:07:04,382
別室でレベルの設定を

103
00:07:04,465 --> 00:07:07,260
出力レベルを
少し調整してくる

104
00:07:07,343 --> 00:07:09,345
ちゃんと分かってる？

105
00:07:09,429 --> 00:07:11,639
あと14分15秒で開始だ

106
00:07:11,722 --> 00:07:13,433
分かってるよ

107
00:07:18,688 --> 00:07:19,856
大変だ

108
00:07:25,862 --> 00:07:27,655
65-73と言った？

109
00:07:27,738 --> 00:07:30,199
左回り円偏光を高く？

110
00:07:30,324 --> 00:07:31,159
あと１分

111
00:07:31,242 --> 00:07:33,786
さあいくぞ　落ち着いて

112
00:07:33,870 --> 00:07:35,371
準備はできた

113
00:07:37,206 --> 00:07:42,336
４ ３ ２ １…０！

114
00:07:42,420 --> 00:07:43,754
発射！

115
00:08:48,319 --> 00:08:49,278
大変だ

116
00:08:50,655 --> 00:08:52,281
ブラックホールとは？

117
00:08:54,075 --> 00:08:55,868
とても奥が深く

118
00:08:55,952 --> 00:09:01,624
そこで起きている現象を
全て理解するのは難しい

119
00:09:02,375 --> 00:09:05,711
研究に一生を
捧げる人もいます

120
00:09:11,425 --> 00:09:12,802
ブラックホールは

121
00:09:12,885 --> 00:09:13,886
重力が極限まで
強くなった天体です

122
00:09:13,886 --> 00:09:16,013
重力が極限まで
強くなった天体です

123
00:09:13,886 --> 00:09:16,013
{\an8}ラメシュ･ナラヤン
計算宇宙物理学者

124
00:09:16,013 --> 00:09:16,514
{\an8}ラメシュ･ナラヤン
計算宇宙物理学者

125
00:09:16,514 --> 00:09:18,766
{\an8}ラメシュ･ナラヤン
計算宇宙物理学者

126
00:09:16,514 --> 00:09:18,766
元の物質が圧縮され

127
00:09:18,849 --> 00:09:21,602
一点に集中するのです

128
00:09:25,648 --> 00:09:28,693
そこは
“事象の地平面”と呼ばれ

129
00:09:29,193 --> 00:09:33,447
面白いことに
一方通行になっています

130
00:09:33,531 --> 00:09:38,035
外から内部へは行けても
一度入ると出られません

131
00:09:40,871 --> 00:09:42,999
ブラックホールの引力は
とても強い

132
00:09:42,999 --> 00:09:43,958
ブラックホールの引力は
とても強い

133
00:09:42,999 --> 00:09:43,958
{\an8}リディア･パットン
科学哲学者

134
00:09:43,958 --> 00:09:44,542
{\an8}リディア･パットン
科学哲学者

135
00:09:44,542 --> 00:09:48,087
{\an8}リディア･パットン
科学哲学者

136
00:09:44,542 --> 00:09:48,087
近付いた物は
全て飲み込まれてしまいます

137
00:09:48,087 --> 00:09:48,796
近付いた物は
全て飲み込まれてしまいます

138
00:09:53,884 --> 00:09:57,597
地平面で消えた物質は
永遠に戻らず

139
00:09:58,097 --> 00:10:00,641
行き着く先は分かりません

140
00:10:02,310 --> 00:10:05,313
確認する方法もありません

141
00:10:07,857 --> 00:10:11,319
消えたかどうかすら
分からないのです

142
00:10:13,487 --> 00:10:18,409
ブラックホールの原理は
解明されていません

143
00:10:25,458 --> 00:10:29,629
空間と時間における
宇宙の渦のような領域です

144
00:10:31,005 --> 00:10:31,505
ブラックホールの中より
暗い場所はありません

145
00:10:31,505 --> 00:10:35,760
ブラックホールの中より
暗い場所はありません

146
00:10:31,505 --> 00:10:35,760
{\an8}ジャナ･レヴィン
宇宙論学者

147
00:10:35,760 --> 00:10:35,843
{\an8}ジャナ･レヴィン
宇宙論学者

148
00:10:35,843 --> 00:10:36,469
{\an8}ジャナ･レヴィン
宇宙論学者

149
00:10:35,843 --> 00:10:36,469
光がないのです

150
00:10:36,469 --> 00:10:37,511
光がないのです

151
00:10:40,431 --> 00:10:42,224
しかし どんな天体よりも

152
00:10:42,308 --> 00:10:45,853
人々の興味に
火をつけているでしょう

153
00:10:53,444 --> 00:10:55,613
ブラックホールには

154
00:10:56,822 --> 00:11:00,117
どこか不思議な魅力が
あります

155
00:11:06,040 --> 00:11:07,625
聞こえるかな？

156
00:11:12,797 --> 00:11:16,550
“事実は小説より奇なり”と
言うけれど

157
00:11:16,634 --> 00:11:20,346
ブラックホールより
奇妙な物はないだろう

158
00:11:22,682 --> 00:11:24,225
僕の共同研究者は

159
00:11:24,308 --> 00:11:26,977
ケンブリッジ大の
マルコム･ペリー

160
00:11:27,061 --> 00:11:29,522
ハーバード大の
アンディ･ストロミンガーだ

161
00:11:29,605 --> 00:11:32,274
ブラックホールに
入った物質の情報が

162
00:11:32,358 --> 00:11:36,195
戻ってくることを
説明しようとしている

163
00:11:37,321 --> 00:11:38,823
こちらにご注目

164
00:11:44,412 --> 00:11:46,372
初対面は1982年

165
00:11:47,707 --> 00:11:52,837
僕たちは数多くのテーマで
意見が一致していた

166
00:11:54,547 --> 00:11:58,342
でも近年 あるテーマで
議論を交わしている

167
00:11:58,426 --> 00:12:00,845
今年で３年になるか

168
00:12:01,470 --> 00:12:07,226
全くもって
新しいレベルの研究だ

169
00:12:07,309 --> 00:12:08,519
他と違う

170
00:12:08,602 --> 00:12:10,104
そうだね

171
00:12:12,273 --> 00:12:15,776
その日は天気が良く
暖かかった

172
00:12:16,694 --> 00:12:17,069
４月のイギリスでは珍い

173
00:12:17,069 --> 00:12:18,821
４月のイギリスでは珍い

174
00:12:17,069 --> 00:12:18,821
{\an8}マルコム･ペリー
理論物理学者

175
00:12:18,821 --> 00:12:18,904
{\an8}マルコム･ペリー
理論物理学者

176
00:12:18,904 --> 00:12:20,698
{\an8}マルコム･ペリー
理論物理学者

177
00:12:18,904 --> 00:12:20,698
外で勉強会をした

178
00:12:22,074 --> 00:12:24,702
グレート･
ブランプトン･ハウス

179
00:12:25,161 --> 00:12:30,708
この10年スティーヴンは
ここで勉強会を開いてる

180
00:12:32,835 --> 00:12:36,213
僕はある考えを持っていた

181
00:12:36,297 --> 00:12:36,839
事象の境界面の構造や

182
00:12:36,839 --> 00:12:38,758
事象の境界面の構造や

183
00:12:36,839 --> 00:12:38,758
{\an8}アンディ･
ストロミンガー
理論物理学者

184
00:12:38,758 --> 00:12:39,425
{\an8}アンディ･
ストロミンガー
理論物理学者

185
00:12:39,425 --> 00:12:41,177
{\an8}アンディ･
ストロミンガー
理論物理学者

186
00:12:39,425 --> 00:12:41,177
情報の保存方法についてね

187
00:12:41,177 --> 00:12:42,052
情報の保存方法についてね

188
00:12:42,970 --> 00:12:44,764
話を聞いて思った

189
00:12:44,847 --> 00:12:49,810
アンディが説明する現象は
十分にあり得る

190
00:12:51,395 --> 00:12:54,064
スティーヴンはすぐに反応し

191
00:12:54,565 --> 00:12:58,652
“この考えこそ
欠けていたピースだ”と

192
00:12:59,779 --> 00:13:03,199
彼は自分自身が
1975年に発表した理論を

193
00:13:03,282 --> 00:13:06,702
解明しようと
必死になっている

194
00:13:07,328 --> 00:13:09,747
“情報パラドックス”だ

195
00:13:10,998 --> 00:13:14,376
“ブラックホールが情報を
消滅させる”と主張する

196
00:13:14,460 --> 00:13:18,714
科学的にはあり得ないから
“パラドックス”なんだ

197
00:13:18,798 --> 00:13:23,552
この理論が正しければ
物理法則の崩壊を意味する

198
00:13:24,887 --> 00:13:26,764
だから必死なんです

199
00:13:26,847 --> 00:13:31,101
情報が消失するとしたら
物理の根幹が揺るがされる

200
00:13:26,847 --> 00:13:31,101
{\an8}サーシャ･ハコ
理論物理学者

201
00:13:31,101 --> 00:13:31,644
情報が消失するとしたら
物理の根幹が揺るがされる

202
00:13:32,269 --> 00:13:35,648
理論のどこかに
間違いがあるはず

203
00:13:37,191 --> 00:13:41,987
ブラックホールの外からでは
内部の様子は分からない

204
00:13:42,863 --> 00:13:46,033
外からの観察で
推測できるのは

205
00:13:46,116 --> 00:13:49,036
質量 電荷 回転です

206
00:13:49,537 --> 00:13:52,665
どんなブラックホールでも
同じです

207
00:13:53,249 --> 00:13:57,294
つまり
ブラックホールの内部は

208
00:13:57,378 --> 00:14:00,339
未知なる情報の宝庫
だと言える

209
00:14:01,549 --> 00:14:04,927
研究者たちが
頭を悩ませていると

210
00:14:05,010 --> 00:14:07,805
ホーキング放射が
発見されました

211
00:14:07,888 --> 00:14:10,307
物質が放出される現象です

212
00:14:10,891 --> 00:14:13,394
事の発端はこの理論でした

213
00:14:14,520 --> 00:14:17,731
{\an8}〝ブラックホールによる
素粒子の生成
Ｓ･ホーキング〞

214
00:14:17,731 --> 00:14:20,359
{\an8}〝ブラックホールによる
素粒子の生成
Ｓ･ホーキング〞

215
00:14:17,731 --> 00:14:20,359
ブラックホールは
粒子を放出していて

216
00:14:20,359 --> 00:14:20,651
ブラックホールは
粒子を放出していて

217
00:14:21,735 --> 00:14:25,322
質量が失われ
次第に消えるというのです

218
00:14:28,659 --> 00:14:31,370
ブラックホールを
形成するのは

219
00:14:31,495 --> 00:14:32,830
同じ質量分の
ゾウかもしれません

220
00:14:32,830 --> 00:14:34,748
同じ質量分の
ゾウかもしれません

221
00:14:32,830 --> 00:14:34,748
{\an8}ローラ･リューチェ
科学哲学者

222
00:14:34,748 --> 00:14:34,832
{\an8}ローラ･リューチェ
科学哲学者

223
00:14:34,832 --> 00:14:38,085
{\an8}ローラ･リューチェ
科学哲学者

224
00:14:34,832 --> 00:14:38,085
蒸発した後に残されるのは
同じ物質なのです

225
00:14:38,085 --> 00:14:38,711
蒸発した後に残されるのは
同じ物質なのです

226
00:14:40,880 --> 00:14:45,175
放射により量子情報は
失われると考えられる

227
00:14:46,385 --> 00:14:51,307
放出される粒子は
完全にランダムだ

228
00:14:51,390 --> 00:14:54,768
元々 何であったかは
関係ない

229
00:14:58,981 --> 00:15:03,319
ブラックホールから
何でも放出されることになる

230
00:15:03,944 --> 00:15:07,406
ピアノやトロンボーン

231
00:15:07,489 --> 00:15:10,034
存在する物 全てだ

232
00:15:16,248 --> 00:15:20,127
宇宙の基本的な性質は

233
00:15:20,836 --> 00:15:22,922
無秩序だということに

234
00:15:26,842 --> 00:15:31,722
宇宙を支配する物理法則は
存在しない

235
00:15:33,474 --> 00:15:36,185
物理学者にとって
悪夢のような説だ

236
00:15:39,855 --> 00:15:42,650
宇宙に関する情報の大半は

237
00:15:42,733 --> 00:15:48,489
何らかの法則を使って
推測できると考えられていた

238
00:15:49,740 --> 00:15:50,366
理論をもとに
あらゆる事象を予測し

239
00:15:50,366 --> 00:15:52,993
理論をもとに
あらゆる事象を予測し

240
00:15:50,366 --> 00:15:52,993
{\an8}ジェームス･
ウェザーロール
科学哲学者

241
00:15:52,993 --> 00:15:53,077
{\an8}ジェームス･
ウェザーロール
科学哲学者

242
00:15:53,077 --> 00:15:55,371
{\an8}ジェームス･
ウェザーロール
科学哲学者

243
00:15:53,077 --> 00:15:55,371
それを実証するため
実験や観察を行う

244
00:15:55,371 --> 00:15:57,498
それを実証するため
実験や観察を行う

245
00:16:00,125 --> 00:16:04,046
物理法則を使って
初期の宇宙を理解し

246
00:16:04,546 --> 00:16:08,342
“こうだったはず”と
推測するんだ

247
00:16:10,928 --> 00:16:13,722
その方法が否定されたら？

248
00:16:16,392 --> 00:16:19,812
僕たちの知識は限定的になる

249
00:16:22,606 --> 00:16:26,110
世界を知るすべが
なくなるんだ

250
00:16:35,327 --> 00:16:40,040
ブラックホールの存在で
揺るがされる理論なら

251
00:16:40,124 --> 00:16:43,335
しょせん
その程度だということだ

252
00:16:44,795 --> 00:16:48,007
もし情報が失われるとしたら

253
00:16:48,090 --> 00:16:51,051
人類の歴史も
信憑(しんぴょう)性が薄くなる

254
00:16:53,262 --> 00:16:56,932
歴史の本や人々の記憶は
ただの幻想なのだ

255
00:16:59,393 --> 00:17:02,438
過去が今の私たちを
定義している

256
00:17:04,982 --> 00:17:08,152
“過去の消失”は
“自己の消失”だ

257
00:17:13,615 --> 00:17:15,868
“国際理論科学研究センター(ＩＣＴＳ)
基礎研究　2015年６月20日”

258
00:17:22,249 --> 00:17:24,209
ＩＣＴＳの卒業生なので

259
00:17:24,293 --> 00:17:29,173
情報パラドックスについては
ずっと考えてきた

260
00:17:34,595 --> 00:17:36,722
24時間365日だ

261
00:17:39,266 --> 00:17:43,479
朝起きてコーヒーを入れ
ノートを開く

262
00:17:45,230 --> 00:17:48,442
歯を磨きながら考えを巡らせ

263
00:17:49,193 --> 00:17:50,736
夢にまで見る

264
00:17:55,407 --> 00:17:59,119
この理論は
現代の物理学において

265
00:17:59,203 --> 00:18:02,623
最も面白い問題だと思う

266
00:18:06,710 --> 00:18:08,253
面白すぎる

267
00:18:09,505 --> 00:18:13,801
考察に集中するため
妻と離婚までした

268
00:18:16,178 --> 00:18:20,474
2016年４月20日

269
00:18:26,105 --> 00:18:29,525
ホーキングが
理論を発表して40年

270
00:18:29,608 --> 00:18:32,277
黒板を消してる間に…

271
00:18:32,861 --> 00:18:35,656
情報パラドックスを
否定するため

272
00:18:36,615 --> 00:18:40,911
何千何万という論文が
書かれた

273
00:18:43,622 --> 00:18:47,835
しかし どの説も
広く支持されることはなく

274
00:18:48,502 --> 00:18:52,881
必ず何かしらの
問題点があった

275
00:18:54,800 --> 00:18:58,679
この式を
詳細まで書き出してみる

276
00:18:58,762 --> 00:19:02,141
マルコムが書く間に説明する

277
00:19:03,934 --> 00:19:07,688
僕たちが初めに
取りかかったのは…

278
00:19:07,771 --> 00:19:12,985
スティーヴンとマルコムと僕
３人でメカニズムを発見した

279
00:19:13,485 --> 00:19:19,158
情報パラドックスの問題を
解決できるかもしれない

280
00:19:19,241 --> 00:19:20,826
わくわくするね

281
00:19:21,743 --> 00:19:24,580
まだ始まりにすぎない

282
00:19:24,663 --> 00:19:27,875
現在 精力的に研究している

283
00:19:27,958 --> 00:19:29,251
中心は…

284
00:19:29,334 --> 00:19:31,670
スーパーローテーションは？

285
00:19:33,005 --> 00:19:37,259
スーパーローテーション
について言うと…

286
00:19:38,051 --> 00:19:41,346
物理学は真実を見つけること

287
00:19:42,097 --> 00:19:43,265
森羅万象のね

288
00:19:44,600 --> 00:19:47,186
全ての解明は難しい

289
00:19:47,769 --> 00:19:49,354
情報の保存が…

290
00:19:49,438 --> 00:19:52,024
でも可能なものもある

291
00:19:52,107 --> 00:19:55,903
情報パラドックスは
何としても解明したい

292
00:19:55,986 --> 00:20:00,282
スーパーローテーションが
省略される

293
00:20:01,325 --> 00:20:02,367
よし

294
00:20:03,577 --> 00:20:04,995
これは消そう

295
00:20:18,133 --> 00:20:19,718
百聞は一見にしかず

296
00:20:22,012 --> 00:20:25,849
視覚で得られる情報は
とても確実だ

297
00:20:26,725 --> 00:20:30,687
どうしても
実物を見る必要がある

298
00:20:34,691 --> 00:20:36,485
ブラックホールの存在を
10年前から信じてるが

299
00:20:36,485 --> 00:20:39,905
ブラックホールの存在を
10年前から信じてるが

300
00:20:36,485 --> 00:20:39,905
{\an8}ハイノ･ファルケ
ＥＨＴ学術会議 会長

301
00:20:39,905 --> 00:20:39,988
{\an8}ハイノ･ファルケ
ＥＨＴ学術会議 会長

302
00:20:39,988 --> 00:20:41,949
{\an8}ハイノ･ファルケ
ＥＨＴ学術会議 会長

303
00:20:39,988 --> 00:20:41,949
何としても
この目で見たいんだ

304
00:20:41,949 --> 00:20:43,408
何としても
この目で見たいんだ

305
00:20:49,206 --> 00:20:52,459
ブラックホールの姿は
まだ誰も見たことがない

306
00:20:52,459 --> 00:20:53,669
ブラックホールの姿は
まだ誰も見たことがない

307
00:20:52,459 --> 00:20:53,669
{\an8}ディミトリオス･
サルティス
ＥＨＴ 科学者

308
00:20:53,669 --> 00:20:53,752
{\an8}ディミトリオス･
サルティス
ＥＨＴ 科学者

309
00:20:53,752 --> 00:20:57,923
{\an8}ディミトリオス･
サルティス
ＥＨＴ 科学者

310
00:20:53,752 --> 00:20:57,923
その領域では
光さえも抜け出せない

311
00:20:57,923 --> 00:20:58,882
その領域では
光さえも抜け出せない

312
00:21:00,467 --> 00:21:04,596
ＥＨＴを使って
地平面が見えるまで拡大し

313
00:21:05,097 --> 00:21:08,433
ブラックホールの影を
捉えたい

314
00:21:09,643 --> 00:21:13,730
ＥＨＴは何十年にも及ぶ
研究の集大成だ

315
00:21:17,109 --> 00:21:20,445
ブラックホールの撮影が
可能だと判明し

316
00:21:20,529 --> 00:21:22,656
研究に力が入った

317
00:21:24,491 --> 00:21:26,660
{\an8}ＡＰＥＸ　チリ

318
00:21:24,491 --> 00:21:26,660
何年もかけて
複数の拠点を訪ね

319
00:21:26,660 --> 00:21:26,743
何年もかけて
複数の拠点を訪ね

320
00:21:26,743 --> 00:21:27,244
何年もかけて
複数の拠点を訪ね

321
00:21:26,743 --> 00:21:27,244
{\an8}ＬＭＴ　メキシコ

322
00:21:27,244 --> 00:21:27,327
{\an8}ＬＭＴ　メキシコ

323
00:21:27,327 --> 00:21:29,329
{\an8}ＬＭＴ　メキシコ

324
00:21:27,327 --> 00:21:29,329
この研究に参加する価値を
説明した

325
00:21:29,329 --> 00:21:29,413
この研究に参加する価値を
説明した

326
00:21:29,413 --> 00:21:30,706
この研究に参加する価値を
説明した

327
00:21:29,413 --> 00:21:30,706
{\an8}ＩＲＡＭ望遠鏡
スペイン

328
00:21:30,706 --> 00:21:31,790
{\an8}ＩＲＡＭ望遠鏡
スペイン

329
00:21:31,873 --> 00:21:33,792
{\an8}サブミリ波干渉計
ハワイ

330
00:21:31,873 --> 00:21:33,792
全ての拠点に

331
00:21:33,875 --> 00:21:37,337
非常に高価で
特別な設備を用意する

332
00:21:37,421 --> 00:21:38,213
{\an8}ジェームズ･クラーク･
マクスウェル望遠鏡
ハワイ

333
00:21:38,213 --> 00:21:40,173
{\an8}ジェームズ･クラーク･
マクスウェル望遠鏡
ハワイ

334
00:21:38,213 --> 00:21:40,173
厳しい環境の場所にね

335
00:21:40,257 --> 00:21:42,843
アルマ望遠鏡　チリ

336
00:21:42,926 --> 00:21:45,262
{\an8}南極点望遠鏡　南極

337
00:21:45,262 --> 00:21:46,388
{\an8}南極点望遠鏡　南極

338
00:21:45,262 --> 00:21:46,388
まさに今から

339
00:21:46,471 --> 00:21:51,101
ブラックホール撮影のため
観測を開始する

340
00:21:51,685 --> 00:21:53,312
{\an8}ＥＨＴ観測開始
２０１７年４月４日

341
00:21:53,312 --> 00:21:55,272
{\an8}ＥＨＴ観測開始
２０１７年４月４日

342
00:21:53,312 --> 00:21:55,272
まだ不安は残るけど

343
00:21:55,355 --> 00:21:57,774
現地の判断は“実施”

344
00:21:57,858 --> 00:22:02,362
南極点は天候は良好だが
照準に問題がある

345
00:22:02,988 --> 00:22:04,197
照準に問題あり

346
00:22:04,281 --> 00:22:07,326
サブミリ波望遠鏡は
準備万端だ

347
00:22:07,409 --> 00:22:09,870
風はあるが問題ないだろう

348
00:22:11,371 --> 00:22:13,373
夜間の見通しも良好？

349
00:22:13,457 --> 00:22:14,333
ああ

350
00:22:15,500 --> 00:22:17,878
地球上の複数の拠点に
望遠鏡を配置し

351
00:22:17,878 --> 00:22:19,087
地球上の複数の拠点に
望遠鏡を配置し

352
00:22:17,878 --> 00:22:19,087
{\an8}ファーヤル･オゼル
ＥＨＴ学術会議 会員

353
00:22:19,087 --> 00:22:19,171
{\an8}ファーヤル･オゼル
ＥＨＴ学術会議 会員

354
00:22:19,171 --> 00:22:21,340
{\an8}ファーヤル･オゼル
ＥＨＴ学術会議 会員

355
00:22:19,171 --> 00:22:21,340
記録データを集めます

356
00:22:22,049 --> 00:22:25,135
後に全てのデータを合体させ

357
00:22:25,218 --> 00:22:29,473
１つの観測画像を
完成させます

358
00:22:31,725 --> 00:22:37,481
ＥＨＴは地球上８ヵ所にある
望遠鏡の集合体なのです

359
00:22:38,398 --> 00:22:44,237
観測局の場所は
南極 アリゾナ ハワイ チリ

360
00:22:47,199 --> 00:22:50,827
まさに
地球サイズの望遠鏡です

361
00:22:52,871 --> 00:22:54,706
ピコペレタの天候は？

362
00:22:54,790 --> 00:22:57,417
予報では良好よ

363
00:22:57,501 --> 00:22:59,836
カメラを切り替える

364
00:22:59,920 --> 00:23:04,800
ＬＭＴの水蒸気画像を
確認したい

365
00:23:07,010 --> 00:23:08,762
拠点が１ヵ所なら

366
00:23:08,845 --> 00:23:12,974
そこの天候次第で
観測を実施できる

367
00:23:13,475 --> 00:23:17,354
今回は全ての拠点で
条件がそろう必要がある

368
00:23:18,188 --> 00:23:21,733
開始時間までに
この雲は通過する

369
00:23:21,817 --> 00:23:24,152
でも他の雲がかかるかも

370
00:23:24,236 --> 00:23:25,570
動きが速い

371
00:23:26,321 --> 00:23:28,907
ＳＭＴの条件は悪くなるのか

372
00:23:29,449 --> 00:23:31,034
不安材料は？

373
00:23:31,118 --> 00:23:33,412
ＬＭＴとＳＭＴだけ？

374
00:23:33,495 --> 00:23:36,832
最終的には
南極点の状況で判断する

375
00:23:36,915 --> 00:23:39,334
情報は限られてるけどね

376
00:23:39,793 --> 00:23:42,963
ＬＭＴのメーザーの状態は？

377
00:23:44,381 --> 00:23:48,718
少し心配だ
十分なテストができてない

378
00:23:49,970 --> 00:23:51,721
不具合が出るかも

379
00:23:52,722 --> 00:23:55,559
開始まで あと１時間半

380
00:23:55,642 --> 00:23:56,726
中止する？

381
00:24:02,858 --> 00:24:05,777
僕は今夜やるべきだと思う

382
00:24:05,861 --> 00:24:07,988
天候の条件は悪くないし

383
00:24:08,071 --> 00:24:09,781
技術的な課題はあるが

384
00:24:09,865 --> 00:24:13,660
いつ観測しても
不確定要素は残る

385
00:24:17,289 --> 00:24:22,252
運が良ければ
Ｍ84のいい写真が撮れるはず

386
00:24:24,254 --> 00:24:26,214
やると決めたらやろう

387
00:24:26,673 --> 00:24:29,551
決定だ　実施の連絡をする

388
00:24:29,634 --> 00:24:32,387
ディミトリオスの
ゴーサインね

389
00:24:33,430 --> 00:24:35,724
いい夜になりますように

390
00:24:36,766 --> 00:24:39,394
それから世界中の拠点で

391
00:24:40,479 --> 00:24:42,731
一斉に望遠鏡が始動した

392
00:24:43,940 --> 00:24:47,319
ブラックホールの光子の
撮影を試みる

393
00:24:59,372 --> 00:25:03,502
ブラックホールの影の
見かけの大きさは

394
00:25:03,585 --> 00:25:05,670
質量と距離で決まります

395
00:25:07,506 --> 00:25:11,218
天の川銀河の中心にある
いて座Ａ*は

396
00:25:11,301 --> 00:25:14,054
最も大きい
角直径を持ちます

397
00:25:14,137 --> 00:25:15,597
次いでＭ87です

398
00:25:16,681 --> 00:25:19,893
Ｍ87の方が
約1000倍大きいですが

399
00:25:19,976 --> 00:25:22,729
地球からの距離も
1000倍遠いのです

400
00:25:23,522 --> 00:25:27,484
結果的に２つは
同じ大きさに見えます

401
00:25:30,946 --> 00:25:34,074
{\an8}観測開始３日目の夜

402
00:25:34,074 --> 00:25:36,201
{\an8}観測開始３日目の夜

403
00:25:34,074 --> 00:25:36,201
ここ本拠地は
24時間365日無休だ

404
00:25:36,201 --> 00:25:37,702
ここ本拠地は
24時間365日無休だ

405
00:25:37,786 --> 00:25:41,206
常に緊急事態の連絡が入る

406
00:25:41,289 --> 00:25:44,668
レコーダーや
レシーバーの故障とかね

407
00:25:44,751 --> 00:25:46,253
暇になりたい

408
00:25:47,045 --> 00:25:47,212
{\an8}何も問題が起きず
順調に進んでほしい

409
00:25:47,212 --> 00:25:52,008
{\an8}何も問題が起きず
順調に進んでほしい
リア･メデイロス
ＥＨＴ 宇宙物理学者

410
00:25:52,676 --> 00:25:55,595
でも念のため待機はしてる

411
00:25:56,846 --> 00:26:01,351
ＥＨＴを使用して
３日間の観測が終了した

412
00:26:01,935 --> 00:26:03,353
これは史上初だ

413
00:26:03,436 --> 00:26:07,524
３夜連続で観測が実施できた

414
00:26:07,607 --> 00:26:09,901
幸いにも天候に恵まれた

415
00:26:10,485 --> 00:26:15,115
３日３晩 休まず働いたから
みんな疲れ切ってる

416
00:26:15,198 --> 00:26:18,910
標高の高い場所で
集中力のいる作業をする

417
00:26:18,994 --> 00:26:22,205
トラブルの対処で
ストレスも多い

418
00:26:22,289 --> 00:26:25,584
メンバーは
限界まで頑張ってる

419
00:26:30,213 --> 00:26:36,386
ＥＨＴ観測５日目　最終日

420
00:26:36,886 --> 00:26:38,888
いて座Ａ*最終スキャン開始

421
00:26:39,889 --> 00:26:44,185
ついにこれが
最後のスキャンだ

422
00:26:44,769 --> 00:26:49,274
2017年のいて座Ａ*観測は
これで終わり

423
00:27:01,620 --> 00:27:07,542
どこか 遠い虹のかなた

424
00:27:08,793 --> 00:27:11,713
青い鳥が飛んでいる場所

425
00:27:11,796 --> 00:27:13,757
あれは君が書いた？

426
00:27:15,800 --> 00:27:18,595
そこは 夢に見たことが

427
00:27:18,678 --> 00:27:22,140
きっと叶う場所

428
00:27:22,223 --> 00:27:24,643
{\an8}〝チームのみんなへ〞

429
00:27:24,726 --> 00:27:26,645
{\an8}〝すばらしい仕事ぶりに
感謝してる〞

430
00:27:26,645 --> 00:27:28,480
{\an8}〝すばらしい仕事ぶりに
感謝してる〞
星に願いをかけるんだ

431
00:27:28,480 --> 00:27:28,563
{\an8}星に願いをかけるんだ

432
00:27:28,563 --> 00:27:29,481
{\an8}星に願いをかけるんだ
〝次に会った時は
１杯おごらせてくれ〞

433
00:27:29,481 --> 00:27:29,981
{\an8}〝次に会った時は
１杯おごらせてくれ〞

434
00:27:29,981 --> 00:27:32,359
{\an8}〝次に会った時は
１杯おごらせてくれ〞
ある日 目を覚ましたら

435
00:27:32,359 --> 00:27:32,817
{\an8}ある日 目を覚ましたら

436
00:27:32,901 --> 00:27:36,946
雲１つない空の下に
いることを

437
00:27:39,157 --> 00:27:43,244
この曲は
長年の夢を叶えることの

438
00:27:43,328 --> 00:27:47,707
すばらしさを
よく表してると思う

439
00:27:49,584 --> 00:27:50,752
何年越し？

440
00:27:52,504 --> 00:27:56,257
分からないけど
20年くらいかな

441
00:28:00,929 --> 00:28:05,600
この後 各観測局で
記録データを持ち出す

442
00:28:05,684 --> 00:28:08,603
もちろん すごく慎重にね

443
00:28:09,104 --> 00:28:11,356
本拠地に輸送するんだ

444
00:28:13,608 --> 00:28:15,151
これで終わり？

445
00:28:16,861 --> 00:28:18,905
全行程を終えた？

446
00:28:19,406 --> 00:28:21,658
終了だ　お疲れ様

447
00:28:24,577 --> 00:28:27,122
ブラックホールのスキャン

448
00:28:27,956 --> 00:28:31,710
全スケジュール
プロジェクトが終了だ

449
00:28:33,878 --> 00:28:37,173
ＥＨＴを使用する
今年の観測が

450
00:28:38,258 --> 00:28:40,885
ひとまず終わった

451
00:28:43,096 --> 00:28:45,974
ＥＨＴプロジェクトで
大変なのは

452
00:28:46,057 --> 00:28:51,271
全てのデータを統合するまで
成功したか分からないこと

453
00:28:52,105 --> 00:28:54,399
画像合成にも時間がかかる

454
00:28:55,316 --> 00:28:57,986
それまでは緊張感が続く

455
00:28:58,069 --> 00:29:01,072
不安を抱えて結果を待つんだ

456
00:29:03,825 --> 00:29:09,038
５月 春 再生
ブラックホールの画像合成

457
00:29:10,415 --> 00:29:12,751
忙しい夏になるぞ

458
00:29:37,275 --> 00:29:41,780
地球から太陽までの距離：
1億4960万km

459
00:30:28,159 --> 00:30:32,789
太陽系からいて座Ａ*まで：
２万5600光年

460
00:31:03,152 --> 00:31:07,824
天の川銀河からＭ87まで：
5480万光年

461
00:31:19,794 --> 00:31:22,922
科学哲学に
長年の謎があります

462
00:31:24,090 --> 00:31:28,094
私たちが現在
興味を持っている対象が

463
00:31:28,177 --> 00:31:31,347
実験的に
検出可能な物である場合

464
00:31:33,933 --> 00:31:36,728
検出が不可能な物体は

465
00:31:36,811 --> 00:31:39,898
どう解析すれば
良いでしょうか？

466
00:31:51,826 --> 00:31:54,621
私がいつも魅力を感じるのは

467
00:31:54,621 --> 00:31:55,121
私がいつも魅力を感じるのは

468
00:31:54,621 --> 00:31:55,121
{\an8}プリヤムバダ･
ナタラジャン
計算宇宙物理学者

469
00:31:55,121 --> 00:31:55,204
{\an8}プリヤムバダ･
ナタラジャン
計算宇宙物理学者

470
00:31:55,204 --> 00:31:58,666
{\an8}プリヤムバダ･
ナタラジャン
計算宇宙物理学者

471
00:31:55,204 --> 00:31:58,666
目に見えない不思議な物です

472
00:32:00,043 --> 00:32:03,129
{\an8}ブラックホールは
とても魅力的です

473
00:32:06,382 --> 00:32:11,763
{\an8}しかし方程式で表すには
あまりにも複雑です

474
00:32:19,604 --> 00:32:23,900
何かを深く理解するためには

475
00:32:24,442 --> 00:32:27,946
単なる計算だけでは
不可能です

476
00:32:28,029 --> 00:32:31,741
コンピューターでの
シミュレーションが必要です

477
00:32:39,123 --> 00:32:43,336
ブラックホールの周囲には
降着円盤があります

478
00:32:44,128 --> 00:32:45,546
混沌とした状態です

479
00:32:48,132 --> 00:32:54,013
イオン化ガスや磁場が
勢いよく回っています

480
00:32:55,390 --> 00:32:58,059
ガスは高温になり発光します

481
00:33:02,480 --> 00:33:07,527
とても複雑な構造で
手描きでは表現できません

482
00:33:15,743 --> 00:33:20,665
コンピューターの
シミュレーションのおかげで

483
00:33:21,165 --> 00:33:24,502
見えないものを
可視化できます

484
00:33:40,101 --> 00:33:43,021
2017年９月10日

485
00:33:43,688 --> 00:33:48,609
{\an8}ブリンソップ･コート
イギリス

486
00:33:55,658 --> 00:33:57,785
きっとアンディだ

487
00:33:59,037 --> 00:34:01,372
ほぼいいニュースがある

488
00:34:01,456 --> 00:34:02,290
何？

489
00:34:04,167 --> 00:34:05,668
確定じゃない

490
00:34:05,752 --> 00:34:08,171
一部欠けてる部分がある

491
00:34:08,254 --> 00:34:10,673
心配しなければ大丈夫

492
00:34:10,757 --> 00:34:12,717
じゃあ問題ない

493
00:34:13,551 --> 00:34:16,345
スティーヴンと彼の友人は

494
00:34:16,846 --> 00:34:19,682
年に１回 集会をやる

495
00:34:20,349 --> 00:34:23,144
みんなで意見交換をしたり

496
00:34:23,227 --> 00:34:25,229
ハイキングに行ったりする

497
00:34:25,313 --> 00:34:26,647
彼も着いてる

498
00:34:26,731 --> 00:34:28,524
スティーヴンが？

499
00:34:28,608 --> 00:34:30,735
廊下を真っすぐ行って

500
00:34:33,029 --> 00:34:36,115
スティーヴンとサーシャ
マルコムと僕は

501
00:34:36,199 --> 00:34:40,661
情報パラドックスに
抜け道を見つけた

502
00:34:40,745 --> 00:34:44,749
抜け道と言うより
大きな穴だね

503
00:34:44,832 --> 00:34:47,168
中にある黒板を使おう

504
00:34:47,251 --> 00:34:49,087
元々の説はこうだ

505
00:34:50,213 --> 00:34:53,925
ブラックホールは
単なる宇宙の穴で

506
00:34:54,008 --> 00:34:55,676
情報を保存できない

507
00:34:57,762 --> 00:35:02,308
しかし実際は地平面で
情報が暗号化されている

508
00:35:03,559 --> 00:35:07,105
つまり超並進と
超回転の自由度

509
00:35:07,188 --> 00:35:08,898
“柔らかい髪”だ

510
00:35:10,024 --> 00:35:11,192
円を描いて

511
00:35:12,777 --> 00:35:17,782
“髪”はブラックホールの
地平面上に存在している

512
00:35:18,282 --> 00:35:20,827
中に何かを投げ込むと

513
00:35:21,285 --> 00:35:25,957
ブラックホールの髪型が
こんな風に変わるんだ

514
00:35:27,667 --> 00:35:32,505
ブラックホールに落ちた物の
記録があることを発見した

515
00:35:34,507 --> 00:35:38,344
情報の一部は
どこかへ転送されている

516
00:35:41,472 --> 00:35:43,975
全容は分かっていない

517
00:35:45,643 --> 00:35:49,856
今まさに
それを解明しようとしてる

518
00:35:49,939 --> 00:35:50,857
こうか

519
00:35:50,940 --> 00:35:53,067
微分係数は２つだけ

520
00:35:53,151 --> 00:35:53,693
了解

521
00:35:53,776 --> 00:35:55,862
そうすれば消せる

522
00:35:55,945 --> 00:35:59,073
髪の粒子が
情報を保存できるのか

523
00:35:59,157 --> 00:36:01,159
確かめています

524
00:36:01,242 --> 00:36:03,411
その項は関係ない

525
00:36:03,494 --> 00:36:04,745
君も同意見？

526
00:36:05,246 --> 00:36:06,664
ベッケンシュタインと

527
00:36:06,747 --> 00:36:11,210
ホーキングが
70年代に確立した式がある

528
00:36:11,711 --> 00:36:14,672
ブラックホールが
保存する情報量を

529
00:36:15,298 --> 00:36:19,260
ギガバイト単位で
導き出す式だ

530
00:36:19,760 --> 00:36:24,515
今まで誰一人として
成功していないが

531
00:36:25,975 --> 00:36:29,896
柔らかい髪を使って
情報量を数える

532
00:36:30,396 --> 00:36:35,443
そして式が正しいことを
証明するんだ

533
00:36:38,571 --> 00:36:41,282
中心電荷が12Ｊになれば

534
00:36:41,782 --> 00:36:45,411
情報は保存されることに
なります

535
00:36:45,494 --> 00:36:49,123
地平面から
情報を読み取れるのです

536
00:36:49,665 --> 00:36:52,460
最初の３ヵ月の答えはゼロ

537
00:36:52,543 --> 00:36:54,462
次の３ヵ月では無限

538
00:36:54,545 --> 00:36:57,673
この数週間で
マルコムが12を導き出して

539
00:36:57,757 --> 00:36:59,300
それを疑ってます

540
00:37:00,176 --> 00:37:02,303
現在の解は12

541
00:37:02,386 --> 00:37:05,681
でも合っているかは
分かりません

542
00:37:06,182 --> 00:37:10,978
最後の式を得るために
部分積分を使った？

543
00:37:12,230 --> 00:37:13,231
そう思う

544
00:37:13,940 --> 00:37:18,069
ゼータに２つの微分係数を
持つ項がない

545
00:37:18,569 --> 00:37:21,822
微分係数を消すことが
目的だった

546
00:37:22,990 --> 00:37:24,867
本当は消えてないかも

547
00:37:29,372 --> 00:37:31,791
よし 分かった

548
00:37:32,291 --> 00:37:35,795
もう少し
考えてみる必要がありそうだ

549
00:37:39,173 --> 00:37:41,259
スティーヴンだ　助かった

550
00:37:43,219 --> 00:37:44,887
やあ スティーヴン

551
00:37:46,138 --> 00:37:49,475
彼に要約を頼むのはどう？

552
00:37:50,226 --> 00:37:51,936
正しいと仮定してね

553
00:37:52,019 --> 00:37:53,479
確認してもらう

554
00:37:53,562 --> 00:37:55,481
常に疑わないと

555
00:37:56,857 --> 00:37:58,359
チェックは必要よ

556
00:37:58,442 --> 00:37:59,944
そうだ

557
00:38:00,027 --> 00:38:05,032
ジェットコースターみたいだ
数分前までは興奮してた

558
00:38:05,116 --> 00:38:08,828
中央の項が寸前まで
出かかっていたからね

559
00:38:08,911 --> 00:38:12,415
面積則を求めるためには

560
00:38:13,457 --> 00:38:14,959
そこが重要だ

561
00:38:15,459 --> 00:38:19,463
でも項が不足していると
思い始めた

562
00:38:23,718 --> 00:38:25,928
いい事が起きる予感

563
00:38:27,888 --> 00:38:29,598
でもこれは難問だ

564
00:38:39,525 --> 00:38:41,569
忘れてることがある

565
00:38:41,652 --> 00:38:42,486
何？

566
00:38:42,987 --> 00:38:45,364
Ｆプラスマイナスの項だ

567
00:38:46,449 --> 00:38:48,492
それは気になってた

568
00:38:48,576 --> 00:38:52,204
Ｆプラスマイナスが
打ち消すかも

569
00:38:52,788 --> 00:38:55,916
僕たちが目指しているのは…

570
00:38:56,000 --> 00:39:00,713
イプシロンの微分係数からは
何も生じないと思う

571
00:39:01,797 --> 00:39:02,631
確認しよう

572
00:39:05,885 --> 00:39:07,678
求めてる値がある

573
00:39:08,679 --> 00:39:10,473
角量運動の12倍

574
00:39:11,849 --> 00:39:12,933
それは…

575
00:39:13,017 --> 00:39:14,393
または発散

576
00:39:14,477 --> 00:39:17,730
決められた値を
導き出すのは難しい

577
00:39:18,773 --> 00:39:21,359
もし成功したら…

578
00:39:22,360 --> 00:39:23,319
こっちだ

579
00:39:23,402 --> 00:39:26,864
ブラックホールは
情報を保存していると

580
00:39:28,324 --> 00:39:30,493
証明することができる

581
00:39:30,576 --> 00:39:32,411
どこかに道があった

582
00:39:32,495 --> 00:39:36,082
情報パラドックス解決への
大きな１歩となる

583
00:39:36,582 --> 00:39:39,919
マルコムが部分積分で
これを導き出した

584
00:39:40,378 --> 00:39:41,462
不正にね

585
00:39:42,088 --> 00:39:45,299
でも３つの形式の
発散を使うと…

586
00:39:45,424 --> 00:39:46,675
結果は同じだ

587
00:39:46,759 --> 00:39:50,137
同じ方程式になる　それに…

588
00:39:50,221 --> 00:39:53,891
２つの球上にある
キリングベクトルは？

589
00:39:54,392 --> 00:39:54,975
３だ

590
00:39:55,059 --> 00:39:56,268
無限数では？

591
00:39:56,769 --> 00:39:57,895
６か

592
00:39:59,063 --> 00:40:02,191
博士と働くのは楽しいですよ

593
00:40:02,691 --> 00:40:06,195
口数は少ないけど
発言に重みがあります

594
00:40:06,821 --> 00:40:12,326
国際的に定義された
キリングベクトルは３つだ

595
00:40:14,745 --> 00:40:19,041
博士が質問をする時は
内容を確認しているようで

596
00:40:19,125 --> 00:40:21,544
実際はそうじゃないんです

597
00:40:21,627 --> 00:40:24,255
少し違うアイデアや

598
00:40:24,922 --> 00:40:27,174
博士の考えが加えられてる

599
00:40:28,134 --> 00:40:32,972
唐突で混乱するけど
重要な考え方だと気付きます

600
00:40:33,055 --> 00:40:35,099
僕たちはずっと

601
00:40:35,683 --> 00:40:39,437
あなたの指示に
忠実に従ってる

602
00:40:41,230 --> 00:40:43,774
“無限を忘れろ”と言ったね

603
00:40:43,858 --> 00:40:49,280
僕はまず入念に準備をして
登る山を観察し

604
00:40:49,363 --> 00:40:52,491
頂上への
最短ルートを探してた

605
00:40:52,992 --> 00:40:55,244
でもスティーヴンは

606
00:40:55,327 --> 00:40:57,955
“今すぐ登ろう”と

607
00:41:00,541 --> 00:41:01,876
彼は大胆だ

608
00:41:03,335 --> 00:41:06,505
あらゆる可能性を
想定することに

609
00:41:06,589 --> 00:41:10,259
時間を割くのを好まない

610
00:41:10,759 --> 00:41:13,471
いきなり核心に迫るんだ

611
00:41:14,096 --> 00:41:16,765
微分同相写像は
エントロピーを与える？

612
00:41:16,849 --> 00:41:18,976
どの微分同相写像？

613
00:41:21,187 --> 00:41:22,771
彼の質問は…

614
00:41:22,855 --> 00:41:25,441
１人で解明するのは難しい

615
00:41:25,524 --> 00:41:28,569
でも複数人なら
様々な視点が得られる

616
00:41:28,652 --> 00:41:33,866
それぞれが自分のアイデアを
出し合うんだ

617
00:41:33,949 --> 00:41:37,328
ｅのアイ･エヌ･ファイ乗で…

618
00:41:38,245 --> 00:41:40,164
分かるかな？

619
00:41:40,247 --> 00:41:42,041
そこから変わる？

620
00:41:42,124 --> 00:41:47,129
僕は結論を出してから
過程を考える傾向にある

621
00:41:47,922 --> 00:41:52,259
この方法は
間違いを引き起こしやすい

622
00:41:52,343 --> 00:41:55,554
答えを先に決めてるからね

623
00:41:58,015 --> 00:42:00,559
マルコムは僕と違うタイプ

624
00:42:01,268 --> 00:42:04,939
最初から始めて
順を追って考える

625
00:42:05,022 --> 00:42:07,733
この方法にも弱点がある

626
00:42:07,816 --> 00:42:10,986
方向を間違えると
正解にたどり着けない

627
00:42:12,071 --> 00:42:14,490
お互いを尊重してる

628
00:42:16,408 --> 00:42:19,870
サーシャには
とても助けられてる

629
00:42:20,371 --> 00:42:23,541
彼女は
マルコムの教え子だった

630
00:42:25,000 --> 00:42:30,256
そこから驚くほどの
急成長をしてるよ

631
00:42:33,217 --> 00:42:37,555
答えを見つけたと思ったら
失うことの繰り返し

632
00:42:37,638 --> 00:42:38,889
また見失った

633
00:42:42,768 --> 00:42:44,311
進む方向は正しい

634
00:42:45,521 --> 00:42:48,232
でも道のりが恐ろしく複雑だ

635
00:42:49,275 --> 00:42:50,317
あっちへ

636
00:42:50,401 --> 00:42:52,111
ヘリを呼びたい

637
00:42:52,194 --> 00:42:54,697
こっちに行ってみたい？

638
00:42:54,780 --> 00:42:55,531
いや

639
00:42:58,492 --> 00:43:01,829
2017年５月12日

640
00:43:04,582 --> 00:43:08,669
マサチューセッツ工科大
ヘイスタック観測所
ＥＨＴデータ処理施設

641
00:43:11,964 --> 00:43:16,927
チリの情勢の影響で
国際輸送が大変だった

642
00:43:17,511 --> 00:43:19,930
これは重要なデータだ

643
00:43:20,014 --> 00:43:24,893
縁起の悪い言葉は
できれば聞きたくない

644
00:43:24,977 --> 00:43:26,645
開封の道具を

645
00:43:27,688 --> 00:43:30,065
届いたばかりのデータだ

646
00:43:33,277 --> 00:43:34,695
チリからはるばる

647
00:43:34,778 --> 00:43:37,865
レコーダー３
スロット２ セット２だ

648
00:43:38,616 --> 00:43:39,491
すごい

649
00:43:39,575 --> 00:43:40,743
ビンセント

650
00:43:41,076 --> 00:43:44,496
チリから
冷凍輸送された光子だ

651
00:43:45,873 --> 00:43:49,627
全ての望遠鏡データを
集めると

652
00:43:49,710 --> 00:43:52,921
その情報量は膨大になります

653
00:43:53,005 --> 00:43:55,549
望遠鏡に到達するまでの

654
00:43:55,674 --> 00:43:59,261
全ての波形を
計測する必要がある

655
00:44:01,513 --> 00:44:06,560
データを忠実に記録したら
波形を結合します

656
00:44:06,644 --> 00:44:11,023
地球の反対側に配置された
望遠鏡と繋ぐのです

657
00:44:11,106 --> 00:44:13,609
アルマ望遠鏡のデータを追加

658
00:44:13,692 --> 00:44:14,777
残りは？

659
00:44:14,860 --> 00:44:19,406
観測データは１日あたり
約１,５ペタバイト

660
00:44:23,035 --> 00:44:27,081
１回の観測では
最も多いデータ量だろう

661
00:44:27,164 --> 00:44:30,292
科学史上
１番だと言ってもいい

662
00:44:30,751 --> 00:44:32,127
確認したい

663
00:44:32,628 --> 00:44:34,588
これがアルマのデータ

664
00:44:35,673 --> 00:44:40,260
ハードディスクのデータを
スーパーコンピュータへ

665
00:44:40,761 --> 00:44:44,098
マサチューセッツ工科大学
ヘイスタック観測所と

666
00:44:44,640 --> 00:44:48,811
ドイツのマックスプランク
電波天文研究所にある

667
00:44:48,894 --> 00:44:53,148
この２ヵ所で分担して
相関処理を行う

668
00:44:53,232 --> 00:44:55,859
これが地球サイズの望遠鏡

669
00:44:56,360 --> 00:44:58,320
まさに地球の地図だ

670
00:44:58,404 --> 00:45:02,241
上から
これはメキシコの観測データ

671
00:45:02,324 --> 00:45:05,828
これもメキシコ
これはアリゾナ

672
00:45:05,911 --> 00:45:08,163
こっちはスペインだ

673
00:45:08,664 --> 00:45:10,249
これはハワイ

674
00:45:10,916 --> 00:45:13,585
南極がないと始められない

675
00:45:13,669 --> 00:45:15,671
現在 閉鎖してる

676
00:45:16,672 --> 00:45:18,382
空輸もストップ

677
00:45:19,675 --> 00:45:23,220
10月になるまで
データは冷凍状態だ

678
00:45:25,180 --> 00:45:30,394
全てのデータが１つになり
画像が完成する

679
00:45:30,477 --> 00:45:34,732
実感がないけど
ついに実現するんだ

680
00:45:34,815 --> 00:45:38,944
ひとまず基線を入れてみよう

681
00:45:41,655 --> 00:45:46,034
手動計算を修正すれば
この波形は消える

682
00:45:47,286 --> 00:45:51,665
ＳＮ比が大きくなると
振幅も比例する

683
00:45:52,374 --> 00:45:54,543
すばらしいね

684
00:45:55,419 --> 00:45:57,880
感度と解像度で言うと

685
00:45:57,963 --> 00:46:02,301
約10年前から
求めてきた水準に達してる

686
00:46:04,970 --> 00:46:07,139
個人的には

687
00:46:08,015 --> 00:46:12,019
このタイミングが
１番不安になってる

688
00:46:13,562 --> 00:46:16,899
結果を得るために
長い間やってきた

689
00:46:17,608 --> 00:46:22,112
成功するかどうか
ここに来ても分からない

690
00:46:34,500 --> 00:46:37,461
ノッティンガム大学
イギリス ノッティンガム

691
00:46:37,544 --> 00:46:39,588
“物理学棟”

692
00:46:47,638 --> 00:46:50,599
“ブラックホール実験室”

693
00:49:10,614 --> 00:49:12,950
ブラックホールは
遠い存在です

694
00:49:16,495 --> 00:49:19,790
ブラックホールを
表す方程式が

695
00:49:19,873 --> 00:49:22,167
正しいか分かりません

696
00:49:23,168 --> 00:49:24,086
確かめる方法がなく
それがジレンマなんです

697
00:49:24,086 --> 00:49:27,631
確かめる方法がなく
それがジレンマなんです

698
00:49:24,086 --> 00:49:27,631
{\an8}シルケ･
ワインファートナー
物理学者

699
00:49:32,302 --> 00:49:34,137
私の実験室には

700
00:49:34,221 --> 00:49:38,225
ブラックホールの特徴を持つ
模型があります

701
00:49:40,143 --> 00:49:43,271
もちろん本物ではありません

702
00:49:46,942 --> 00:49:50,612
実際にあるのは
大きな水槽です

703
00:49:51,863 --> 00:49:55,450
美しい渦が
中心に形成されます

704
00:49:57,494 --> 00:49:59,830
この水面の動きが

705
00:49:59,913 --> 00:50:02,874
ブラックホールの
回転を表します

706
00:50:10,632 --> 00:50:14,219
地平面では
物理現象が起きています

707
00:50:15,429 --> 00:50:18,473
光の屈折やホーキング放射

708
00:50:18,557 --> 00:50:19,766
超放射

709
00:50:21,810 --> 00:50:27,524
事象の地平面の外の現象を
シミュレーションできます

710
00:50:31,611 --> 00:50:34,489
これらの現象は
何十年も前から

711
00:50:34,573 --> 00:50:38,076
実験することなく
信じられていました

712
00:50:40,328 --> 00:50:43,790
物理の力で
予言されていたのです

713
00:50:48,670 --> 00:50:52,340
ブラックホールは
まだ未知の存在ですが

714
00:50:52,841 --> 00:50:57,137
それは科学者にとって
最高の状況です

715
00:51:01,099 --> 00:51:03,894
水槽の中に宇宙があります

716
00:51:05,437 --> 00:51:09,149
そこには
新しい発見が潜んでいて

717
00:51:09,566 --> 00:51:11,610
私たちを待っています

718
00:51:19,785 --> 00:51:23,288
勉強会の４ヵ月後
2018年１月25日

719
00:51:25,707 --> 00:51:28,418
ゼータマイナス
ゼータチルダＹ

720
00:51:28,919 --> 00:51:33,924
イプシロンダブルプライムと
イプシロンプライム

721
00:51:34,049 --> 00:51:35,926
そしてWプラス分の１

722
00:51:36,009 --> 00:51:39,346
Wプラス分の１

723
00:51:40,847 --> 00:51:43,225
Wプラス分の１にする？

724
00:51:43,308 --> 00:51:45,519
他には何もない？

725
00:51:46,186 --> 00:51:47,521
ないよ

726
00:51:47,604 --> 00:51:52,234
寄与できる項は
Wプラス分の１だけだ

727
00:51:54,402 --> 00:51:55,153
そうか

728
00:51:55,237 --> 00:51:56,947
Wプラス分の１は必要だ

729
00:51:57,030 --> 00:51:59,491
そこに導かないといけない

730
00:51:59,574 --> 00:52:00,408
違う

731
00:52:00,492 --> 00:52:03,537
被積分関数に
Wプラス分の１を

732
00:52:04,037 --> 00:52:04,913
分かった

733
00:52:04,996 --> 00:52:06,998
Wプラスの値域はゼロ

734
00:52:07,082 --> 00:52:10,877
Wプラス分の１がないと
ゼロになる

735
00:52:13,964 --> 00:52:15,757
理解してなかった

736
00:52:15,841 --> 00:52:17,968
ブリンソップの時はね

737
00:52:21,471 --> 00:52:23,849
もっと単純に考えてた

738
00:52:23,932 --> 00:52:26,351
深く考えてなかったね

739
00:52:26,434 --> 00:52:29,354
あの時以来
新しい発見があって

740
00:52:29,437 --> 00:52:31,982
進展したけど
より複雑になった

741
00:52:32,065 --> 00:52:35,861
４ヵ月前は
手計算で解けると思ってたね

742
00:52:36,361 --> 00:52:38,989
10ページあるけど

743
00:52:42,492 --> 00:52:45,537
結果的にかなり長くなった

744
00:52:46,496 --> 00:52:50,750
３人合わせても
こんなに長い計算式はない

745
00:52:50,834 --> 00:52:53,086
確かにそうだね

746
00:52:57,090 --> 00:52:58,675
全部で1050項

747
00:52:58,758 --> 00:52:59,843
1050項？

748
00:52:59,926 --> 00:53:04,764
それだけ多ければ
必ずどこかにミスがある

749
00:53:04,848 --> 00:53:06,892
完璧にはできない

750
00:53:07,642 --> 00:53:08,768
僕には無理

751
00:53:08,852 --> 00:53:10,520
マルコムでも難しい

752
00:53:10,604 --> 00:53:13,356
半分ならできるけどね

753
00:53:14,733 --> 00:53:16,610
１ヵ月前に

754
00:53:17,194 --> 00:53:21,656
コンピューターを
使う必要があると気付いた

755
00:53:23,408 --> 00:53:26,578
基本的には
これらの項を足して

756
00:53:26,912 --> 00:53:31,458
合計が12Ｊになることを
目指している

757
00:53:31,541 --> 00:53:34,628
そうすれば
ブラックホールの髪が

758
00:53:34,711 --> 00:53:38,965
情報を保存していることを
証明できる

759
00:53:39,466 --> 00:53:41,635
情報パラドックス
解決に近づく

760
00:53:42,844 --> 00:53:44,971
今のところ実現してない

761
00:53:45,472 --> 00:53:51,353
プログラムに問題があるか
式が違うのか

762
00:53:51,436 --> 00:53:55,273
または
概念分析が間違っている

763
00:53:55,857 --> 00:53:59,694
浮き沈みが激しい作業だよ

764
00:54:00,195 --> 00:54:03,573
うまくいくと信じて
やるしかない

765
00:54:03,657 --> 00:54:04,866
理由は単純

766
00:54:04,950 --> 00:54:08,995
信じないと
こんな努力を続けられない

767
00:54:11,081 --> 00:54:12,040
全力だ

768
00:54:12,123 --> 00:54:13,917
精一杯やってる

769
00:54:14,000 --> 00:54:17,712
僕たちの原動力は
信じる気持ちだ

770
00:54:18,713 --> 00:54:21,174
もし信じてなければ…

771
00:54:23,009 --> 00:54:24,135
諦めてる

772
00:54:24,219 --> 00:54:25,512
やる気が出ない

773
00:54:27,013 --> 00:54:28,348
私は楽観的

774
00:54:30,350 --> 00:54:32,519
でも嫌な予感がする

775
00:54:33,311 --> 00:54:35,397
何かの項が抜けてる

776
00:54:36,982 --> 00:54:37,816
アイデアも

777
00:54:37,899 --> 00:54:42,028
それもある
全部の情報を拾い切れてない

778
00:54:45,156 --> 00:54:50,495
情報パラドックスによると
ブラックホールの存在が

779
00:54:50,578 --> 00:54:54,291
宇宙を説明不可能にしている

780
00:54:54,791 --> 00:54:58,044
物理法則が当てはまらない

781
00:55:00,171 --> 00:55:02,382
ある賭けをしてるんだ

782
00:55:02,841 --> 00:55:06,303
宇宙は物理で
説明できると思う

783
00:55:08,847 --> 00:55:10,974
まだそこに至ってない

784
00:55:23,570 --> 00:55:27,073
観測をしていて
面白いと感じるのは

785
00:55:27,157 --> 00:55:30,035
想像した様子と違う時です

786
00:55:30,118 --> 00:55:33,246
{\an8}アンドレア･ゲズ
天文学者

787
00:55:30,118 --> 00:55:33,246
思い描いた様子と違う場合

788
00:55:33,246 --> 00:55:33,330
{\an8}アンドレア･ゲズ
天文学者

789
00:55:33,330 --> 00:55:35,081
{\an8}アンドレア･ゲズ
天文学者

790
00:55:33,330 --> 00:55:35,081
それを説明するための
奇抜なアイディアが生れます

791
00:55:35,081 --> 00:55:38,543
それを説明するための
奇抜なアイディアが生れます

792
00:55:40,962 --> 00:55:44,007
ブラックホールは
まさにそれです

793
00:55:46,593 --> 00:55:49,346
ブラックホールは当初

794
00:55:49,429 --> 00:55:53,183
非常に難解で
人々から嫌煙されていました

795
00:55:53,933 --> 00:55:56,644
しかし 宇宙研究が進むと

796
00:55:56,728 --> 00:56:00,190
説明できない現象が
いくつも出てきました

797
00:56:01,441 --> 00:56:05,028
ブラックホールが
全ての答えでした

798
00:56:05,987 --> 00:56:09,240
議論を醸していたのは
巨大ブラックホール

799
00:56:09,324 --> 00:56:12,243
質量は太陽の数十億倍です

800
00:56:15,413 --> 00:56:18,833
“私たちの銀河を含む
全ての銀河に”

801
00:56:19,334 --> 00:56:21,503
“存在するかもしれない”と

802
00:56:22,128 --> 00:56:24,339
様々な意見があり

803
00:56:24,839 --> 00:56:28,802
とても面白い分野だと
思いました

804
00:56:31,429 --> 00:56:33,556
{\an8}当時ドイツのグループと
ある技術を研究していて

805
00:56:33,556 --> 00:56:35,934
{\an8}当時ドイツのグループと
ある技術を研究していて
補償光学 オフ

806
00:56:35,934 --> 00:56:36,017
{\an8}補償光学 オフ

807
00:56:36,017 --> 00:56:36,434
{\an8}補償光学 オフ
それが観測に
役立つと思いました

808
00:56:36,434 --> 00:56:36,518
{\an8}それが観測に
役立つと思いました

809
00:56:36,518 --> 00:56:39,646
{\an8}それが観測に
役立つと思いました
補償光学 オン

810
00:56:41,606 --> 00:56:44,943
その頃ちょうど
ハワイのケック天文台が開業

811
00:56:48,530 --> 00:56:53,827
巨大な望遠鏡を使って
無謀な挑戦をしたのです

812
00:56:56,704 --> 00:56:57,997
それが成功

813
00:56:58,081 --> 00:57:01,709
銀河の中心を周回する星を
発見しました

814
00:57:05,422 --> 00:57:08,716
巨大なブラックホールが
存在するなら

815
00:57:08,800 --> 00:57:11,386
周囲の星は高速で動くはず

816
00:57:13,388 --> 00:57:15,640
初観測は1995年です

817
00:57:15,723 --> 00:57:19,936
翌年に２回目の観測をして
驚きました

818
00:57:20,979 --> 00:57:24,107
星の位置が動いていたのです

819
00:57:25,233 --> 00:57:26,985
吸い寄せられるように

820
00:57:28,486 --> 00:57:31,739
98年と99年の観測結果は
より明確に

821
00:57:31,823 --> 00:57:34,451
軌道の変化を捉えていました

822
00:57:36,327 --> 00:57:39,038
ブラックホールに向かって

823
00:57:39,122 --> 00:57:42,876
３つの星が矢のように
曲がっていました

824
00:57:43,960 --> 00:57:46,796
そして同じ場所で
交差したのです

825
00:57:50,675 --> 00:57:53,344
短期間で星が動いたのは

826
00:57:53,428 --> 00:57:56,598
何か強い力が
働いている証拠です

827
00:58:01,102 --> 00:58:06,149
巨大ブラックホールの
存在以外に

828
00:58:06,232 --> 00:58:09,569
考えられません

829
00:58:13,031 --> 00:58:15,617
私たちも
引き寄せられています

830
00:58:17,952 --> 00:58:19,746
すぐそこまで

831
00:58:27,962 --> 00:58:30,798
{\an8}ＥＨＴ画像解析 開始
２０１７年10月12日

832
00:58:30,798 --> 00:58:31,925
{\an8}ＥＨＴ画像解析 開始
２０１７年10月12日

833
00:58:30,798 --> 00:58:31,925
345？

834
00:58:32,008 --> 00:58:33,009
{\an8}違うと思います

835
00:58:33,009 --> 00:58:33,968
{\an8}違うと思います
ＥＨＴ画像合成
チーム１

836
00:58:33,968 --> 00:58:34,052
{\an8}ＥＨＴ画像合成
チーム１

837
00:58:34,052 --> 00:58:37,764
{\an8}ＥＨＴ画像合成
チーム１
昨日１２０を見るように
言われました

838
00:58:37,764 --> 00:58:38,348
{\an8}昨日１２０を見るように
言われました

839
00:58:38,431 --> 00:58:40,308
これは３Ｃ345？

840
00:58:40,391 --> 00:58:41,226
はい

841
00:58:41,309 --> 00:58:42,644
僕たちが試みているのは
前例がないことなので

842
00:58:42,644 --> 00:58:46,272
僕たちが試みているのは
前例がないことなので

843
00:58:42,644 --> 00:58:46,272
{\an8}マイケル･ジョンソン
宇宙物理学者

844
00:58:46,272 --> 00:58:46,356
{\an8}マイケル･ジョンソン
宇宙物理学者

845
00:58:46,356 --> 00:58:47,899
{\an8}マイケル･ジョンソン
宇宙物理学者

846
00:58:46,356 --> 00:58:47,899
新しいツールが
必要になります

847
00:58:47,899 --> 00:58:49,192
新しいツールが
必要になります

848
00:58:49,275 --> 00:58:52,070
広い視野から
始める方が簡単だ

849
00:58:52,153 --> 00:58:56,574
見えた物を忠実に
再現しなくてはなりません

850
00:58:56,658 --> 00:58:58,660
小さいと見えにくい

851
00:58:58,743 --> 00:59:02,372
リニアスケールで
ロードしてないので…

852
00:59:02,455 --> 00:59:05,083
普段カメラで写真を撮る時は

853
00:59:05,166 --> 00:59:08,461
写っている物の存在を
疑いませんよね

854
00:59:05,166 --> 00:59:08,461
{\an8}ケイティ･バウマン
コンピューター科学者

855
00:59:08,461 --> 00:59:08,545
{\an8}ケイティ･バウマン
コンピューター科学者

856
00:59:08,545 --> 00:59:10,213
{\an8}ケイティ･バウマン
コンピューター科学者

857
00:59:08,545 --> 00:59:10,213
撮影する物を直接見て
一致していると分かる

858
00:59:10,213 --> 00:59:12,799
撮影する物を直接見て
一致していると分かる

859
00:59:12,882 --> 00:59:15,093
でもブラックホールの場合は

860
00:59:15,176 --> 00:59:17,971
実物を見ることができません

861
00:59:18,054 --> 00:59:22,225
合成した画像が
正しいか分からないのです

862
00:59:22,934 --> 00:59:25,144
どう判断するでしょうか？

863
00:59:26,312 --> 00:59:28,940
一般的にどっちが正しい？

864
00:59:29,023 --> 00:59:30,608
どう思う？

865
00:59:32,485 --> 00:59:35,280
メンバーを
４つのチームに分けて

866
00:59:35,363 --> 00:59:37,991
別々に作業する方法を
取りました

867
00:59:38,074 --> 00:59:41,286
ＥＨＴから得られるような
類似のデータを

868
00:59:41,369 --> 00:59:43,663
様々な画像をもとに
データを生成

869
00:59:43,663 --> 00:59:45,206
様々な画像をもとに
データを生成

870
00:59:43,663 --> 00:59:45,206
{\an8}〝合成データ
比較アルゴリズム〞

871
00:59:45,206 --> 00:59:45,290
{\an8}〝合成データ
比較アルゴリズム〞

872
00:59:45,290 --> 00:59:48,167
{\an8}〝合成データ
比較アルゴリズム〞

873
00:59:45,290 --> 00:59:48,167
そのデータをチームに渡し

874
00:59:48,710 --> 00:59:52,130
正解の画像が得られるか
検証します

875
00:59:52,964 --> 00:59:56,926
チーム内の情報は口外禁止だ

876
00:59:57,427 --> 00:59:59,596
他のチームの作業を見たら

877
00:59:59,679 --> 01:00:02,640
自分の意見を
伝えてしまうかも

878
01:00:02,724 --> 01:00:05,810
無意識だとしても
あり得ます

879
01:00:05,893 --> 01:00:08,021
エラーが出てます

880
01:00:08,855 --> 01:00:14,027
完成した画像を比較する前に
何度も見直して

881
01:00:14,611 --> 01:00:16,821
修正を行います

882
01:00:16,904 --> 01:00:21,284
元は同じデータなのに
違う画像になってる

883
01:00:22,201 --> 01:00:26,205
各チームが違う手法で
合成した画像を比較

884
01:00:26,289 --> 01:00:28,499
同等の結果が得られたら

885
01:00:28,583 --> 01:00:32,253
そこで初めて
いて座Ａ*とＭ87に着手する

886
01:00:32,337 --> 01:00:35,256
ここは
クロージャー振幅が低く

887
01:00:35,340 --> 01:00:37,175
ギャップが大きい

888
01:00:37,258 --> 01:00:39,010
３日間空いてる

889
01:00:39,093 --> 01:00:43,598
でもソースは同じだから
光の速度も変わらないはず

890
01:00:44,098 --> 01:00:48,394
オレンジ色と青色の線は
まったく同じ日で

891
01:00:48,478 --> 01:00:50,355
同じ時間の記録だ

892
01:00:50,438 --> 01:00:54,067
チーム２は
かなり苦戦していました

893
01:00:55,318 --> 01:00:57,070
画像の合成には
まだ早いと思います

894
01:00:57,070 --> 01:00:59,405
画像の合成には
まだ早いと思います

895
01:00:57,070 --> 01:00:59,405
{\an8}本間 希樹
ＥＨＴプロジェクト
日本代表

896
01:00:59,405 --> 01:01:00,073
{\an8}本間 希樹
ＥＨＴプロジェクト
日本代表

897
01:01:00,073 --> 01:01:01,324
{\an8}本間 希樹
ＥＨＴプロジェクト
日本代表

898
01:01:00,073 --> 01:01:01,324
データ較正が
十分に完了していません

899
01:01:01,324 --> 01:01:03,951
データ較正が
十分に完了していません

900
01:01:04,035 --> 01:01:06,788
やるべきことが残っています

901
01:01:15,254 --> 01:01:19,133
真夜中に
ネットニュースを見ていた

902
01:01:19,217 --> 01:01:21,886
日付をまたいで３月14日

903
01:01:22,428 --> 01:01:24,222
そこで知った

904
01:01:25,348 --> 01:01:26,182
訃報だ

905
01:01:26,265 --> 01:01:28,935
{\an8}〝スティーヴン･
ホーキング
現代宇宙論の希望の星〞

906
01:01:28,935 --> 01:01:30,770
{\an8}〝スティーヴン･
ホーキング
現代宇宙論の希望の星〞

907
01:01:28,935 --> 01:01:30,770
ちょうど
会いに行こうと思っていた

908
01:01:30,770 --> 01:01:30,853
ちょうど
会いに行こうと思っていた

909
01:01:30,853 --> 01:01:33,189
ちょうど
会いに行こうと思っていた

910
01:01:30,853 --> 01:01:33,189
{\an8}〝享年76歳〞

911
01:01:33,189 --> 01:01:33,773
{\an8}〝享年76歳〞

912
01:01:33,773 --> 01:01:34,565
{\an8}〝享年76歳〞

913
01:01:33,773 --> 01:01:34,565
体調が心配だったし

914
01:01:34,565 --> 01:01:35,983
体調が心配だったし

915
01:01:36,484 --> 01:01:40,488
研究は彼の
生きる原動力だったから

916
01:01:42,573 --> 01:01:47,203
研究に進展があったら
すぐイギリスへ飛び

917
01:01:47,286 --> 01:01:50,248
報告するつもりでした

918
01:01:50,748 --> 01:01:55,294
博士もきっと
喜んでくれたと思います

919
01:01:55,878 --> 01:01:59,590
でも残念ながら
間に合いませんでした

920
01:02:01,759 --> 01:02:04,303
考え方はみんな違うけど

921
01:02:04,387 --> 01:02:07,348
スティーヴンは特に
独創的だった

922
01:02:08,307 --> 01:02:12,687
その考えを
もう聞くことができない

923
01:02:13,271 --> 01:02:14,856
大きな損失だ

924
01:02:16,065 --> 01:02:18,192
特別な絆があった

925
01:02:19,026 --> 01:02:24,657
科学や新しい発見を通じて
育んだ信頼関係だ

926
01:02:24,741 --> 01:02:29,203
僕の人生にとって
かけがえのない存在だった

927
01:02:30,163 --> 01:02:34,375
それから スティーヴンとは

928
01:02:36,127 --> 01:02:40,965
意見を交わして
お互いに刺激し合っていた

929
01:02:41,924 --> 01:02:46,345
何十年もの付き合いだ

930
01:02:47,221 --> 01:02:51,476
そんな存在を失って
ものすごく悲しい

931
01:02:52,393 --> 01:02:56,606
親族を失うのとは
また違った喪失感だ

932
01:02:57,565 --> 01:02:59,484
何と言うか…

933
01:03:02,278 --> 01:03:05,740
特別な人を亡くして
悲しくて仕方ない

934
01:03:44,445 --> 01:03:49,492
あなたのそばで
２つのブラックホールが衝突

935
01:03:50,868 --> 01:03:55,373
ブラックホールが動くと
時空が音を立て始めます

936
01:03:56,457 --> 01:04:01,087
ブラックホールがマレットで
時空がドラムです

937
01:04:01,712 --> 01:04:03,339
音を立て始め

938
01:04:04,215 --> 01:04:07,218
重力波が宇宙に広がります

939
01:04:09,053 --> 01:04:12,265
重力波により鼓膜がふるえ

940
01:04:12,765 --> 01:04:16,602
真空の宇宙でさえ
その音が聞こえます

941
01:04:21,691 --> 01:04:26,821
重力波はいわば
時空の音のようなものです

942
01:04:33,536 --> 01:04:37,456
2015年
世紀の発見がありました

943
01:04:38,040 --> 01:04:42,628
観測装置ＬＩＧＯが
重力波の検出に成功しました

944
01:04:47,758 --> 01:04:50,511
ブラックホールが
衝突する直前

945
01:04:50,595 --> 01:04:54,098
わずか0,2秒の間に発生した
重力波です

946
01:04:54,932 --> 01:04:56,183
衝撃的でした

947
01:04:56,267 --> 01:04:59,478
今まで
ブラックホールの存在は

948
01:04:56,267 --> 01:04:59,478
{\an8}ジャナ･レヴィン
宇宙論学者

949
01:04:59,478 --> 01:04:59,562
{\an8}ジャナ･レヴィン
宇宙論学者

950
01:04:59,562 --> 01:05:00,646
{\an8}ジャナ･レヴィン
宇宙論学者

951
01:04:59,562 --> 01:05:00,646
理論上のものでした

952
01:05:00,646 --> 01:05:01,355
理論上のものでした

953
01:05:02,148 --> 01:05:04,191
{\an8}この検出結果は
直接的な証拠です

954
01:05:04,191 --> 01:05:06,861
{\an8}この検出結果は
直接的な証拠です
〝時空の波
重力波が検出される〞

955
01:05:06,944 --> 01:05:09,113
ブラックホールが２つ以上

956
01:05:09,196 --> 01:05:11,824
存在すると証明されました

957
01:05:12,408 --> 01:05:17,038
重力波は約10億年の旅の末
地球で録音されました

958
01:05:17,580 --> 01:05:20,917
歴史的な偉業です

959
01:05:22,668 --> 01:05:26,672
私の研究テーマは
ブラックホールの衝突や

960
01:05:26,756 --> 01:05:29,216
衝突で発生する音の解析

961
01:05:29,300 --> 01:05:32,261
軌道の変化の分析などです

962
01:05:36,849 --> 01:05:40,728
地球に届く重力波の音は
とても小さい

963
01:05:41,854 --> 01:05:46,108
検出されたのは
最後のわずかな動きの音です

964
01:05:48,361 --> 01:05:51,238
現象をより深く理解するため

965
01:05:51,322 --> 01:05:56,452
衝突直前の数分を
シミュレーションしました

966
01:05:57,370 --> 01:05:59,288
少し前に戻ることで

967
01:05:59,372 --> 01:06:04,085
動きの変化を
分析することができます

968
01:06:06,879 --> 01:06:10,341
この衝突の特徴は
２つの質量の違いや

969
01:06:10,424 --> 01:06:13,511
軌道の複雑さの他にも
ありました

970
01:06:13,594 --> 01:06:15,805
どちらも回転していたのです

971
01:06:18,849 --> 01:06:22,561
宇宙で回転する
２つのブラックホール

972
01:06:24,271 --> 01:06:28,734
離れている時は
重力波の音が小さくなり

973
01:06:28,818 --> 01:06:31,862
近付くと大きくなります

974
01:06:32,363 --> 01:06:35,116
重力波の音を聞くだけで

975
01:06:35,199 --> 01:06:38,077
様々な情報が得られます

976
01:06:39,787 --> 01:06:43,666
合体の直前で
音は大きく速くなり

977
01:06:44,834 --> 01:06:47,503
音が消え
巨大ブラックホールが誕生

978
01:06:49,005 --> 01:06:53,467
このような
感動的な体験をすることは

979
01:06:53,551 --> 01:06:56,971
人類にとっての
喜びだと思います

980
01:06:57,471 --> 01:07:00,558
ブラックホールが
リアルに感じられます

981
01:07:02,184 --> 01:07:04,395
すばらしい時代です

982
01:07:05,229 --> 01:07:10,401
謎だったことが
次々と解明されているのです

983
01:07:13,237 --> 01:07:17,491
Ｍ87ブラックホール
画像合成開始
2018年６月５日

984
01:07:27,001 --> 01:07:29,712
Ｍ87のデータを解禁する

985
01:07:30,921 --> 01:07:32,923
画像合成を始めよう

986
01:07:33,424 --> 01:07:37,261
今から全員に
データを共有する

987
01:07:38,679 --> 01:07:43,476
最終目標はブラックホールの
画像を得ること

988
01:07:44,560 --> 01:07:48,689
ブラックホールは
高温プラズマに包まれていて

989
01:07:48,773 --> 01:07:53,652
あらゆる方向から
光が差し込んでいます

990
01:07:53,736 --> 01:07:58,074
ブラックホールは
強い重力で時空をゆがめ

991
01:07:58,157 --> 01:08:01,494
光の経路までも
曲げてしまいます

992
01:08:04,663 --> 01:08:08,918
離れた位置を通過する光は
地球に真っすぐ届き

993
01:08:09,001 --> 01:08:12,797
地平面に近い光は
進行方向が曲がります

994
01:08:13,297 --> 01:08:17,093
近すぎる光は
吸い込まれてしまいます

995
01:08:18,302 --> 01:08:21,263
“ブラックホールの影”
というのは

996
01:08:21,347 --> 01:08:25,017
明るいリングの中にある
暗い部分のことです

997
01:08:25,518 --> 01:08:27,269
{\an8}未確認にも関わらず
シミュレーション

998
01:08:27,269 --> 01:08:27,353
{\an8}シミュレーション

999
01:08:27,353 --> 01:08:30,523
{\an8}シミュレーション
ここまで詳細に
予測されています

1000
01:08:31,315 --> 01:08:34,610
作業するには
部屋を移動しないと

1001
01:08:34,693 --> 01:08:36,362
一斉に始めます

1002
01:08:36,445 --> 01:08:38,364
チーム１のみんな！

1003
01:08:38,989 --> 01:08:39,448
何日目のデータが最適？
3601を見てます

1004
01:08:39,448 --> 01:08:42,827
何日目のデータが最適？
3601を見てます

1005
01:08:39,448 --> 01:08:42,827
{\an8}ＥＨＴ画像合成
チーム１

1006
01:08:42,827 --> 01:08:42,910
{\an8}ＥＨＴ画像合成
チーム１

1007
01:08:42,910 --> 01:08:43,911
{\an8}ＥＨＴ画像合成
チーム１

1008
01:08:42,910 --> 01:08:43,911
僕も3601をやるところだ

1009
01:08:43,911 --> 01:08:45,371
僕も3601をやるところだ

1010
01:08:45,454 --> 01:08:46,789
始めますか？

1011
01:08:46,872 --> 01:08:47,790
目まいが

1012
01:08:47,873 --> 01:08:50,417
ドアは閉めた方がいい？

1013
01:08:50,501 --> 01:08:53,170
待って　何が起こるんだ？

1014
01:08:53,254 --> 01:08:55,005
画像の合成をします

1015
01:08:55,089 --> 01:08:58,134
もう少し落ち着いてやろう

1016
01:08:58,634 --> 01:09:00,261
それは無理だ

1017
01:09:01,178 --> 01:09:02,596
ドアを閉めて

1018
01:09:02,680 --> 01:09:03,514
すごい

1019
01:09:03,931 --> 01:09:05,933
まだ始めなくても…

1020
01:09:06,016 --> 01:09:07,351
マイケルを待とう

1021
01:09:07,434 --> 01:09:12,481
それぞれ別に作業して
20分後に集合する？

1022
01:09:12,982 --> 01:09:13,816
却下だ

1023
01:09:13,899 --> 01:09:17,111
感動的な瞬間になると
思います

1024
01:09:17,194 --> 01:09:20,531
これは私の
個人的な意見だけど

1025
01:09:21,031 --> 01:09:24,160
１つ目は
全員でやるのはどう？

1026
01:09:24,243 --> 01:09:27,788
その後は各自で作業をする

1027
01:09:27,913 --> 01:09:31,000
その方が楽しいと思います

1028
01:09:31,083 --> 01:09:34,879
僕も全員で一緒に見て
意見交換をしたい

1029
01:09:34,962 --> 01:09:35,713
準備は？

1030
01:09:35,796 --> 01:09:36,922
いいよ

1031
01:09:37,006 --> 01:09:38,841
もうダメかも

1032
01:09:38,924 --> 01:09:40,718
頑張って

1033
01:09:41,218 --> 01:09:42,052
いい？

1034
01:09:42,553 --> 01:09:43,387
用意

1035
01:09:43,804 --> 01:09:44,638
開始！

1036
01:09:44,722 --> 01:09:47,516
エンターキーを押した

1037
01:09:48,934 --> 01:09:50,728
ワッフルの写真だ

1038
01:09:52,438 --> 01:09:55,232
これは面白い形だね

1039
01:09:58,819 --> 01:10:00,404
どんな感じ？

1040
01:10:00,487 --> 01:10:02,364
アンドリューのは良さそう

1041
01:10:02,448 --> 01:10:05,326
微調整はしてない

1042
01:10:06,535 --> 01:10:09,038
データをコンパクト化してる

1043
01:10:10,748 --> 01:10:13,667
ダニエルと僕はこんな感じ

1044
01:10:15,044 --> 01:10:16,879
クロージャーだけ使った

1045
01:10:16,962 --> 01:10:18,005
それだけ？

1046
01:10:18,088 --> 01:10:20,049
カイの二乗を見て

1047
01:10:20,132 --> 01:10:21,217
いいね

1048
01:10:21,300 --> 01:10:22,343
画質も高い

1049
01:10:22,426 --> 01:10:25,054
これが数回の
イテレーション後

1050
01:10:25,137 --> 01:10:28,224
ノイズを取り除いて
補正してる

1051
01:10:28,307 --> 01:10:29,266
ローバンド？

1052
01:10:29,350 --> 01:10:29,850
ああ

1053
01:10:29,934 --> 01:10:31,769
１日のデータだけ？

1054
01:10:31,852 --> 01:10:32,770
そうだ

1055
01:10:34,188 --> 01:10:35,731
何だか怖いな

1056
01:10:36,315 --> 01:10:37,608
何て言うか…

1057
01:10:37,691 --> 01:10:39,276
異常値は削除した？

1058
01:10:39,360 --> 01:10:40,611
何も触ってない

1059
01:10:41,111 --> 01:10:45,449
みんないい感じだ
すばらしいよ

1060
01:10:45,532 --> 01:10:46,659
それは？

1061
01:10:46,742 --> 01:10:48,285
ケイティの画像

1062
01:10:48,369 --> 01:10:50,371
少し違って見えますね

1063
01:10:50,454 --> 01:10:53,749
みんなの画像と
光の位置が少し違う

1064
01:10:53,832 --> 01:10:55,334
冷静にすごいよ

1065
01:10:55,459 --> 01:11:00,214
全員 同じような
三日月形の画像になってる

1066
01:11:00,965 --> 01:11:03,217
画像のサイズは？

1067
01:11:03,300 --> 01:11:04,802
これは約40です

1068
01:11:04,885 --> 01:11:05,970
合わせる

1069
01:11:06,053 --> 01:11:10,849
つまりＭ87の質量は
太陽の約60億倍？

1070
01:11:10,933 --> 01:11:12,184
かなり大きい

1071
01:11:12,268 --> 01:11:15,813
他の天体の大きさを知る
基準になる

1072
01:11:15,896 --> 01:11:19,692
他の日の画像も
同じような形になれば…

1073
01:11:19,775 --> 01:11:23,821
画像と一緒に写真を撮るまで
誰も帰さないぞ

1074
01:11:23,904 --> 01:11:25,239
ひどい写りかも

1075
01:11:25,322 --> 01:11:27,950
ここに立っても平気？

1076
01:11:30,494 --> 01:11:31,996
画像も入れてね

1077
01:11:33,497 --> 01:11:35,291
油断できない

1078
01:11:35,374 --> 01:11:38,377
少しの不注意が命取りになる

1079
01:11:38,877 --> 01:11:43,299
僕はスクリーンの画像を
携帯で撮った

1080
01:11:43,382 --> 01:11:45,634
明日 続きをやろう

1081
01:11:45,718 --> 01:11:50,973
もし画像の写真が
部外者の手に渡ったら

1082
01:11:51,056 --> 01:11:55,936
その写真が解析されて
すぐに論文になる

1083
01:11:56,020 --> 01:11:57,354
間違いない

1084
01:11:58,147 --> 01:12:01,775
情報は絶対に流出させない

1085
01:12:02,776 --> 01:12:06,322
メンバー以外に
画像は開示しない

1086
01:12:07,031 --> 01:12:12,119
ここでの情報は全部
チーム１の秘密だ

1087
01:12:13,287 --> 01:12:15,497
すごく興奮する

1088
01:12:15,581 --> 01:12:19,376
期待はしてないけど
うまくいったら

1089
01:12:19,877 --> 01:12:22,588
本当に最高だ

1090
01:12:49,656 --> 01:12:50,991
順調だ

1091
01:12:52,785 --> 01:12:57,373
プロジェクトの重要な部分は
何とかなったと思う

1092
01:12:58,290 --> 01:13:02,878
ブリンソップ･コート
イギリス
2018年９月16日

1093
01:13:03,379 --> 01:13:08,133
目指していた値の
12Ｊにたどり着いた

1094
01:13:11,178 --> 01:13:13,055
まだ終わりじゃない

1095
01:13:24,817 --> 01:13:29,029
重要なのは
３,５だけだと思う

1096
01:13:29,613 --> 01:13:31,031
３,５？

1097
01:13:36,036 --> 01:13:37,496
こんにちは

1098
01:13:38,580 --> 01:13:39,248
サーシャ

1099
01:13:39,331 --> 01:13:41,250
着いてたんですね

1100
01:13:41,333 --> 01:13:44,420
もう５ページも計算が進んだ

1101
01:13:44,503 --> 01:13:45,337
遅いぞ

1102
01:13:50,300 --> 01:13:52,845
荷物を部屋に置いてきて

1103
01:13:53,303 --> 01:13:55,514
それは後でいい

1104
01:13:55,597 --> 01:13:57,307
時間が惜しい？

1105
01:14:00,060 --> 01:14:00,894
よし

1106
01:14:01,728 --> 01:14:05,566
進捗は？
あと何が残ってますか？

1107
01:14:06,066 --> 01:14:09,153
現時点で必要だと思うのは

1108
01:14:10,487 --> 01:14:13,490
ＧプラスマイナスＰ乗の理解

1109
01:14:13,574 --> 01:14:15,701
それと過去向きの地平面

1110
01:14:15,784 --> 01:14:17,828
その他は何かある？

1111
01:14:17,911 --> 01:14:18,829
以上だ

1112
01:14:22,499 --> 01:14:24,710
ブリンソップは１年ぶり

1113
01:14:25,502 --> 01:14:27,463
最初は順調でした

1114
01:14:27,546 --> 01:14:29,673
数週間で計算を終えて

1115
01:14:29,756 --> 01:14:33,010
想定どおりの答えが出ると
思っていました

1116
01:14:33,093 --> 01:14:36,513
でも実際は
はるかに複雑でした

1117
01:14:39,099 --> 01:14:42,478
信じられないほど
膨大な数の項があり

1118
01:14:42,561 --> 01:14:45,772
自動計算を使っても
うまくいきません

1119
01:14:48,984 --> 01:14:52,154
そこで方程式の分解を
思い付きました

1120
01:14:52,237 --> 01:14:55,782
積分可能な部分と
不可能な部分に分けます

1121
01:14:55,866 --> 01:14:57,659
これが転機でした

1122
01:14:58,410 --> 01:15:01,830
私たちの式は
ほぼ正しかったけど

1123
01:15:01,914 --> 01:15:05,334
項がいくつか
抜けていたんです

1124
01:15:06,585 --> 01:15:08,420
次のことが分かりました

1125
01:15:08,921 --> 01:15:12,257
この方程式は
慣性過給の変化と

1126
01:15:12,341 --> 01:15:15,802
地平面の角速度の変化の
合計でした

1127
01:15:16,178 --> 01:15:19,681
値を求めると12Ｊになります

1128
01:15:20,432 --> 01:15:24,269
地平面の角速度の項は
いくつかありましたが

1129
01:15:24,853 --> 01:15:28,065
全部がそろわないと
積分できません

1130
01:15:29,858 --> 01:15:34,655
12Ｊを導き出すことが
できたので

1131
01:15:34,738 --> 01:15:39,284
間違いがないか
最終確認をしています

1132
01:15:42,538 --> 01:15:46,542
ホーキング博士に
報告できないのが残念です

1133
01:15:46,667 --> 01:15:48,752
喜んでくれたと思います

1134
01:15:52,714 --> 01:15:57,052
物理学は
驚くほど人の感情を動かす

1135
01:15:58,303 --> 01:16:00,305
プロジェクトの途中で

1136
01:16:00,389 --> 01:16:03,433
スティーヴンを亡くして
とても悲しい

1137
01:16:04,518 --> 01:16:06,311
彼に報告したかった

1138
01:16:07,104 --> 01:16:08,355
１本置こう

1139
01:16:12,568 --> 01:16:13,944
スティーヴンに

1140
01:16:15,362 --> 01:16:19,908
スティーヴンの
物理への情熱はすごかった

1141
01:16:20,033 --> 01:16:21,660
彼はいつでも——

1142
01:16:22,619 --> 01:16:26,999
目の前の問題に
全身全霊を捧げていた

1143
01:16:31,086 --> 01:16:34,381
ブラックホールの内側は
謎に包まれている

1144
01:16:34,881 --> 01:16:39,094
もし解明できたら
見返りは大きい

1145
01:16:41,888 --> 01:16:43,307
“時空の本質”だ

1146
01:16:47,394 --> 01:16:48,520
そうだな

1147
01:16:51,815 --> 01:16:56,153
博士は最大の手がかりを
残してくれた

1148
01:16:58,488 --> 01:17:01,241
このプロジェクトが
成功したら

1149
01:17:02,993 --> 01:17:06,622
こんな巨大な看板が
立つはずだ

1150
01:17:06,705 --> 01:17:08,415
“こちらに金脈あり”

1151
01:17:10,917 --> 01:17:13,170
夜空を見上げてみても

1152
01:17:13,962 --> 01:17:16,423
ブラックホールは見えない

1153
01:17:18,300 --> 01:17:20,302
でも確かにそこにある

1154
01:17:21,386 --> 01:17:23,305
人間をあざ笑ってる

1155
01:17:24,890 --> 01:17:26,808
“見つけてみろよ”と

1156
01:17:32,272 --> 01:17:34,316
{\an8}〝ＮＥＲＯＣ
ヘイスタック観測所〞

1157
01:17:34,399 --> 01:17:36,610
{\an8}ＥＨＴ画像合成チーム２
画像比較まで２週間

1158
01:17:36,610 --> 01:17:37,778
{\an8}ＥＨＴ画像合成チーム２
画像比較まで２週間

1159
01:17:36,610 --> 01:17:37,778
音声の確認をする

1160
01:17:37,778 --> 01:17:38,403
音声の確認をする

1161
01:17:38,487 --> 01:17:39,529
聞こえる？

1162
01:17:39,613 --> 01:17:41,114
ああ 聞こえるよ

1163
01:17:41,198 --> 01:17:42,949
モニカ 聞こえる？

1164
01:17:43,033 --> 01:17:44,576
じゃあ始めよう

1165
01:17:44,660 --> 01:17:45,202
{\an8}Ｍ87の画像について
初めてのテレビ会議だね

1166
01:17:45,202 --> 01:17:48,455
{\an8}Ｍ87の画像について
初めてのテレビ会議だね
秋山 和徳
ＥＨＴ 宇宙物理学者

1167
01:17:48,455 --> 01:17:50,040
{\an8}Ｍ87の画像について
初めてのテレビ会議だね

1168
01:17:50,624 --> 01:17:52,959
どの画像もよく似ていて

1169
01:17:53,043 --> 01:17:54,878
影のような光がある

1170
01:17:55,671 --> 01:17:58,256
望みが持てる結果だ

1171
01:18:00,008 --> 01:18:03,011
“撮影は成功したんだ”

1172
01:18:04,054 --> 01:18:05,347
“リングがある”

1173
01:18:06,598 --> 01:18:09,893
でも喜びもつかの間で
疑念が出てくる

1174
01:18:09,976 --> 01:18:12,479
“見たい”と願うからこそ

1175
01:18:12,562 --> 01:18:15,607
自分の目が疑わしくなる

1176
01:18:15,691 --> 01:18:19,403
“影のようなもの”とでも
呼ぼうか

1177
01:18:19,486 --> 01:18:20,737
中央に見える

1178
01:18:20,821 --> 01:18:24,408
でも慎重に判断する
必要がある

1179
01:18:24,491 --> 01:18:26,702
他のチームの画像は？

1180
01:18:26,785 --> 01:18:27,953
まだだ

1181
01:18:28,036 --> 01:18:33,208
各チームの画像を見せ合って
検証する時は…

1182
01:18:33,291 --> 01:18:36,461
昨日は興奮して
眠れませんでした

1183
01:18:36,545 --> 01:18:40,549
画像を見る時を
８年間も待っていました

1184
01:18:41,049 --> 01:18:41,550
{\an8}似たような結果が出て
よかったです

1185
01:18:41,550 --> 01:18:44,219
{\an8}似たような結果が出て
よかったです
サラ･イッサウオン
ＥＨＴ 宇宙物理学者

1186
01:18:44,803 --> 01:18:47,431
他チームの画像も楽しみです

1187
01:18:47,514 --> 01:18:50,142
みんな秘密を守っています

1188
01:18:51,017 --> 01:18:52,144
{\an8}ＥＨＴ画像合成チーム３
画像比較まで１週間

1189
01:18:52,144 --> 01:18:54,229
{\an8}ＥＨＴ画像合成チーム３
画像比較まで１週間
チーム３で使ったのは
標準的な手法で

1190
01:18:54,229 --> 01:18:55,522
{\an8}チーム３で使ったのは
標準的な手法で

1191
01:18:55,522 --> 01:18:57,149
{\an8}チーム３で使ったのは
標準的な手法で
アラン･マーシャー
ＥＨＴ 宇宙物理学者

1192
01:18:57,149 --> 01:18:57,232
{\an8}アラン･マーシャー
ＥＨＴ 宇宙物理学者

1193
01:18:57,232 --> 01:18:58,859
{\an8}アラン･マーシャー
ＥＨＴ 宇宙物理学者
〝ＣＬＥＡＮ〞という
アルゴリズムです

1194
01:18:58,859 --> 01:18:59,860
{\an8}〝ＣＬＥＡＮ〞という
アルゴリズムです

1195
01:19:01,862 --> 01:19:06,199
メンバー６人が
画像合成を行っていて

1196
01:19:07,242 --> 01:19:11,246
画像の中央部分は
全員の意見が一致しました

1197
01:19:12,664 --> 01:19:16,543
他チームはどんな手法を
使っているのか

1198
01:19:17,461 --> 01:19:18,962
来週が楽しみです

1199
01:19:20,213 --> 01:19:22,466
画像の一致を祈ります

1200
01:19:23,216 --> 01:19:25,343
作業は慎重に行います

1201
01:19:25,427 --> 01:19:29,681
最悪なのは
影だと思った画像が

1202
01:19:29,765 --> 01:19:32,267
人為的なものだった時です

1203
01:19:33,393 --> 01:19:34,770
{\an8}ＥＨＴ画像合成
チーム１

1204
01:19:34,770 --> 01:19:36,480
{\an8}ＥＨＴ画像合成
チーム１

1205
01:19:34,770 --> 01:19:36,480
チーム１では

1206
01:19:36,480 --> 01:19:36,563
{\an8}ＥＨＴ画像合成
チーム１

1207
01:19:36,563 --> 01:19:37,981
{\an8}ＥＨＴ画像合成
チーム１

1208
01:19:36,563 --> 01:19:37,981
満足できる画像が
完成しました

1209
01:19:37,981 --> 01:19:39,733
満足できる画像が
完成しました

1210
01:19:40,817 --> 01:19:43,236
チーム内では一致してるけど

1211
01:19:43,320 --> 01:19:46,823
他チームの画像を
まだ見てない

1212
01:19:46,907 --> 01:19:51,369
比較した時に
全てが崩壊する可能性はある

1213
01:19:51,453 --> 01:19:54,956
他チームと
画像が大きく違った場合

1214
01:19:55,040 --> 01:19:57,459
その先のことが不安です

1215
01:19:58,084 --> 01:20:00,629
{\an8}画像比較ワークショップ
２０１８年７月23日

1216
01:20:03,924 --> 01:20:05,175
おはよう

1217
01:20:05,258 --> 01:20:06,051
元気？

1218
01:20:21,066 --> 01:20:22,442
楽しみにしてる

1219
01:20:24,361 --> 01:20:27,239
ついに会えましたね
ケイティです

1220
01:20:27,322 --> 01:20:28,490
よろしく

1221
01:20:29,032 --> 01:20:30,534
遠くまでどうも

1222
01:20:41,294 --> 01:20:43,421
興奮の瞬間だよ

1223
01:20:43,505 --> 01:20:47,175
初めて全チームで
合成画像を比較する

1224
01:20:47,259 --> 01:20:49,719
まだ一切 見てない

1225
01:20:49,803 --> 01:20:53,598
クリスマスの日みたいな
感覚だ

1226
01:20:53,682 --> 01:20:57,811
今からプレゼントを開く

1227
01:20:57,894 --> 01:20:59,521
中身はポニー？

1228
01:20:59,604 --> 01:21:03,650
データ較正をして
振幅と閉位相を調整しました

1229
01:21:03,733 --> 01:21:04,359
了解

1230
01:21:04,442 --> 01:21:07,070
少し鳥肌が立ちました

1231
01:21:07,571 --> 01:21:08,655
この日が来るのを
10年近く待ってました

1232
01:21:08,655 --> 01:21:11,950
この日が来るのを
10年近く待ってました

1233
01:21:08,655 --> 01:21:11,950
{\an8}モニカ･モスキブロツカ
ＥＨＴ 宇宙物理学者

1234
01:21:11,950 --> 01:21:12,492
{\an8}モニカ･モスキブロツカ
ＥＨＴ 宇宙物理学者

1235
01:21:12,492 --> 01:21:13,618
{\an8}モニカ･モスキブロツカ
ＥＨＴ 宇宙物理学者

1236
01:21:12,492 --> 01:21:13,618
10年間
シミュレーションをしてきて

1237
01:21:13,618 --> 01:21:15,662
10年間
シミュレーションをしてきて

1238
01:21:15,745 --> 01:21:19,040
ついに本物を見られるのです

1239
01:21:19,124 --> 01:21:23,628
同じスクリプトを使って
試してみましょう

1240
01:21:23,712 --> 01:21:28,300
修正してない状態で
ひとまず様子を見る

1241
01:21:28,383 --> 01:21:30,343
面白いと思う

1242
01:21:30,427 --> 01:21:34,764
結果が同じになるか
確認したい

1243
01:21:34,848 --> 01:21:36,683
全てマイクロ秒単位だ

1244
01:21:36,766 --> 01:21:41,062
真空空間を
埋めているようにも見える

1245
01:21:41,563 --> 01:21:45,358
基線の処理については
２通りあるけど

1246
01:21:45,483 --> 01:21:48,695
どちらも
ほぼ同じ画像になってる

1247
01:21:48,778 --> 01:21:51,698
これを使う理由が分からない

1248
01:21:51,781 --> 01:21:55,285
意義はあるし
付加的な情報も得られる

1249
01:21:55,368 --> 01:21:58,747
でも余計な情報かもしれない

1250
01:21:58,830 --> 01:22:02,125
チーム３の画像がない
催促しますか？

1251
01:22:02,626 --> 01:22:03,460
了解

1252
01:22:04,753 --> 01:22:07,172
最悪な状態になるかも

1253
01:22:08,381 --> 01:22:11,176
あとどのくらいかかる？

1254
01:22:12,469 --> 01:22:14,179
分かりません

1255
01:22:14,262 --> 01:22:15,430
15分くらい？

1256
01:22:15,513 --> 01:22:17,182
問題がなければ

1257
01:22:17,265 --> 01:22:19,351
チーム３の状況は？

1258
01:22:19,434 --> 01:22:21,269
長くはかからない

1259
01:22:21,353 --> 01:22:24,189
やってみて数字を見ましょう

1260
01:22:24,272 --> 01:22:25,106
分かった

1261
01:22:35,825 --> 01:22:37,369
準備はできてる

1262
01:22:44,417 --> 01:22:46,378
先に説明を

1263
01:22:46,461 --> 01:22:50,799
全ての画像について
相互相関比較を実施

1264
01:22:50,882 --> 01:22:55,637
数値１は２つの画像が
一致していることを表します

1265
01:22:55,720 --> 01:22:56,846
０は不一致

1266
01:22:57,931 --> 01:23:00,308
心の準備はいいですか？

1267
01:23:03,186 --> 01:23:05,230
スクロールダウンします

1268
01:23:06,564 --> 01:23:07,732
すごい

1269
01:23:13,279 --> 01:23:14,823
これがＭ87！

1270
01:23:16,616 --> 01:23:21,204
画像はピクセルのレベルで
とても似ていました

1271
01:23:23,498 --> 01:23:25,917
情報交換は一切ありません

1272
01:23:26,001 --> 01:23:31,089
データ処理の正当性を
数字が証明しています

1273
01:23:31,172 --> 01:23:33,299
信憑性は高いでしょう

1274
01:23:38,722 --> 01:23:40,682
感動的な瞬間でした

1275
01:23:41,683 --> 01:23:43,935
シミュレーション
していた画像と

1276
01:23:44,019 --> 01:23:47,063
合成画像は
非常に似ていました

1277
01:23:47,647 --> 01:23:51,609
自分に言い聞かせないと
いけません

1278
01:23:47,647 --> 01:23:51,609
{\an8}セラ･マルコフ
ＥＨＴ学術会議

1279
01:23:51,609 --> 01:23:51,693
{\an8}セラ･マルコフ
ＥＨＴ学術会議

1280
01:23:51,693 --> 01:23:53,111
{\an8}セラ･マルコフ
ＥＨＴ学術会議

1281
01:23:51,693 --> 01:23:53,111
“シミュレーションではなく
本物のブラックホールだ”と

1282
01:23:53,111 --> 01:23:55,989
“シミュレーションではなく
本物のブラックホールだ”と

1283
01:23:56,072 --> 01:23:59,743
気付いたら何時間も
写真を眺めていました

1284
01:24:02,120 --> 01:24:04,039
次のステップは

1285
01:24:04,122 --> 01:24:07,250
プロジェクト関係者の
合意を得ること

1286
01:24:09,794 --> 01:24:11,755
{\an8}ＥＨＴ国際会議
２０１８年11月８日

1287
01:24:11,755 --> 01:24:12,797
{\an8}ＥＨＴ国際会議
２０１８年11月８日

1288
01:24:11,755 --> 01:24:12,797
緯度はアルマ望遠鏡と
同じです

1289
01:24:12,797 --> 01:24:14,090
緯度はアルマ望遠鏡と
同じです

1290
01:24:15,133 --> 01:24:18,136
プロジェクトにおいて
重要な局面だ

1291
01:24:18,636 --> 01:24:21,347
様々なバックグラウンドの
人たち

1292
01:24:21,431 --> 01:24:24,184
全員の合意が必要になる

1293
01:24:24,809 --> 01:24:29,981
世界中から来た
約250人の研究者たちのね

1294
01:24:31,066 --> 01:24:33,151
とてもいい質問ですね

1295
01:24:33,234 --> 01:24:34,611
それは恐らく…

1296
01:24:35,236 --> 01:24:37,655
信用を失う可能性がある

1297
01:24:37,739 --> 01:24:41,242
ＥＨＴは何年もかけて
作り上げられた

1298
01:24:42,869 --> 01:24:44,412
失敗できない

1299
01:24:47,165 --> 01:24:50,210
重要な要素はどう決定する？

1300
01:24:51,086 --> 01:24:53,088
意見が一致している点は？

1301
01:24:53,171 --> 01:24:55,924
様々な議論を引き起こします

1302
01:24:56,424 --> 01:24:58,635
永遠に終わらないかも

1303
01:24:58,718 --> 01:25:00,845
“スプリンターセッション
論文II＋IV”

1304
01:25:00,929 --> 01:25:04,557
１つの画像を見せつつ

1305
01:25:05,141 --> 01:25:07,018
他のパターンも紹介する

1306
01:25:07,102 --> 01:25:09,020
必要な妥協です

1307
01:25:09,604 --> 01:25:12,440
でも筋は通ってる

1308
01:25:12,524 --> 01:25:14,776
理想的じゃないと思う

1309
01:25:14,859 --> 01:25:18,279
発表には
最適なデータセットと

1310
01:25:18,363 --> 01:25:20,990
画像を選ぶべきです

1311
01:25:21,074 --> 01:25:24,327
そうすれば誰でも再現できる

1312
01:25:24,410 --> 01:25:26,830
僕は悪くないと思う

1313
01:25:26,913 --> 01:25:29,457
でもデータとの整合性がない

1314
01:25:29,541 --> 01:25:34,254
この画像を
パラメータ推算に使用する？

1315
01:25:37,549 --> 01:25:41,386
それぞれが
独自の期待値を持ってる

1316
01:25:41,469 --> 01:25:46,224
だから議論を交わして
折衷案を決めていく

1317
01:25:46,307 --> 01:25:48,434
それなら合成画像には

1318
01:25:48,935 --> 01:25:52,355
モデル化されていない
分類がある？

1319
01:25:52,438 --> 01:25:55,692
民主的だけど
簡単には進まない

1320
01:25:56,234 --> 01:25:57,819
本当にね

1321
01:26:11,875 --> 01:26:15,378
ブラックホールを研究する
物理学者の夢は

1322
01:26:16,671 --> 01:26:20,633
事象の地平面の
向こう側へ行くことだろう

1323
01:26:26,848 --> 01:26:29,058
もし行くとしたら

1324
01:26:30,393 --> 01:26:33,313
戻って来ない覚悟が必要だ

1325
01:26:34,981 --> 01:26:36,482
そこで何が見える？

1326
01:26:45,742 --> 01:26:48,953
昔の探検家たちは
海に魅せられた

1327
01:26:49,746 --> 01:26:51,623
僕たちの場合は宇宙だ

1328
01:26:55,001 --> 01:26:58,504
“境界”に魅了されている

1329
01:27:03,676 --> 01:27:05,887
ブラックホールの地平面

1330
01:27:07,222 --> 01:27:10,725
それは
人間の知識の境界線

1331
01:27:11,476 --> 01:27:14,354
僕たちの
宇宙の知識の限界だ

1332
01:27:17,023 --> 01:27:21,736
{\an8}最大の挑戦は
その境界線を越えること

1333
01:27:27,992 --> 01:27:29,244
{\an8}成功すれば

1334
01:27:29,869 --> 01:27:33,790
{\an8}限界が存在しない
究極の境地へ行ける

1335
01:27:40,880 --> 01:27:43,132
{\an8}地平線の向こう側は

1336
01:27:43,216 --> 01:27:46,928
{\an8}物理の原則が
存在しない世界だ

1337
01:27:48,137 --> 01:27:51,557
{\an8}そこへ行くことはできる

1338
01:27:54,644 --> 01:27:56,729
{\an8}でも誰にも話せない

1339
01:27:58,690 --> 01:28:01,359
{\an8}存在が
消えてしまうからだ

1340
01:28:05,238 --> 01:28:08,533
{\an8}この世界での
〝死〞を意味する

1341
01:28:18,001 --> 01:28:21,462
2018年10月５日

1342
01:28:42,608 --> 01:28:45,194
やあ いい笑顔だね

1343
01:28:45,278 --> 01:28:48,531
顔が見られてうれしいよ
会いたかった

1344
01:28:48,531 --> 01:28:49,240
顔が見られてうれしいよ
会いたかった

1345
01:28:48,531 --> 01:28:49,240
{\an8}〝ブラックホールの
エントロピーと
柔らかい髪〞

1346
01:28:49,240 --> 01:28:49,324
{\an8}〝ブラックホールの
エントロピーと
柔らかい髪〞

1347
01:28:49,324 --> 01:28:51,409
{\an8}〝ブラックホールの
エントロピーと
柔らかい髪〞

1348
01:28:49,324 --> 01:28:51,409
自由の身だね

1349
01:28:51,409 --> 01:28:52,952
{\an8}〝ブラックホールの
エントロピーと
柔らかい髪〞

1350
01:28:53,036 --> 01:28:55,705
論文を書き終えた

1351
01:28:57,123 --> 01:28:59,042
笑顔にもなる

1352
01:28:59,792 --> 01:29:01,210
いい気分だ

1353
01:29:01,294 --> 01:29:03,796
僕も最高の気分だよ

1354
01:29:03,880 --> 01:29:08,301
かなり長い期間の
大仕事だったからね

1355
01:29:08,384 --> 01:29:10,136
ホッとしました

1356
01:29:10,595 --> 01:29:14,891
広い視野で
考えられるのもうれしい

1357
01:29:14,974 --> 01:29:18,269
行き詰まった状態で
つらかったので

1358
01:29:18,353 --> 01:29:19,479
解放感？

1359
01:29:19,562 --> 01:29:22,815
深く理解することができたし

1360
01:29:22,899 --> 01:29:26,402
説得力のある
論文になったと思います

1361
01:29:27,653 --> 01:29:32,617
ブラックホールの周辺にある
“柔らかい髪”が

1362
01:29:33,117 --> 01:29:37,205
落下した物体の情報を
保管しているんだ

1363
01:29:38,831 --> 01:29:42,210
次のステップは
慎重に考えないと

1364
01:29:42,960 --> 01:29:44,420
同感だよ

1365
01:29:44,504 --> 01:29:47,632
論文上の最大のポイントは

1366
01:29:48,132 --> 01:29:52,720
これが規則的に起きていると
証明すること

1367
01:29:53,388 --> 01:29:57,850
ブラックホールの内外に
情報の流れがある

1368
01:29:58,851 --> 01:30:01,437
とても複雑な現象だ

1369
01:30:01,979 --> 01:30:04,774
それがスティーヴンの願いだ

1370
01:30:06,943 --> 01:30:11,364
15日の記者会見では
こっちに来る？

1371
01:30:15,368 --> 01:30:16,744
迷ってる

1372
01:30:34,137 --> 01:30:35,555
こんにちは

1373
01:30:35,763 --> 01:30:38,433
ホーキング博士の
最後の論文の会見を始めます

1374
01:30:38,433 --> 01:30:40,143
ホーキング博士の
最後の論文の会見を始めます

1375
01:30:38,433 --> 01:30:40,143
{\an8}〝サイエンス･
ミュージアム〞

1376
01:30:40,143 --> 01:30:40,560
{\an8}〝サイエンス･
ミュージアム〞

1377
01:30:40,643 --> 01:30:44,772
博士は亡くなる直前まで
研究を続けました

1378
01:30:44,856 --> 01:30:48,985
長年一緒に研究をされたのは
マルコム･ペリー氏と

1379
01:30:49,068 --> 01:30:50,403
アンドリュー･
ストロミンガー氏

1380
01:30:50,486 --> 01:30:52,572
物理学史上 最大の難題

1381
01:30:52,655 --> 01:30:56,993
情報パラドックスに
取り組む内容です

1382
01:30:57,827 --> 01:31:01,664
２人に論文の概要を
お伺いしましょう

1383
01:31:01,747 --> 01:31:07,295
スティーヴンが我々に残した
非常に大きな問題だった

1384
01:31:07,920 --> 01:31:11,674
ブラックホールの理解に
50年かかった

1385
01:31:11,757 --> 01:31:13,801
研究を始める前にね

1386
01:31:13,885 --> 01:31:16,179
今から10年経つまでは

1387
01:31:16,262 --> 01:31:19,974
この先の道が
どこへ続いてるか分からない

1388
01:31:20,600 --> 01:31:22,810
道すらないかもしれない

1389
01:31:23,311 --> 01:31:28,065
でも根拠なくこう思うんだ
科学者らしくないけどね

1390
01:31:29,025 --> 01:31:30,735
“いい予感がする”

1391
01:31:32,987 --> 01:31:37,408
研究に携わることができて
とても光栄だ

1392
01:31:42,038 --> 01:31:43,498
スティーヴンに

1393
01:31:45,082 --> 01:31:47,418
“柔らかい髪”に

1394
01:31:48,669 --> 01:31:52,089
それから
情報パラドックスの終幕に

1395
01:31:53,049 --> 01:31:54,759
次の論文に

1396
01:31:57,678 --> 01:31:59,263
すばらしい人生だ

1397
01:31:59,847 --> 01:32:02,016
これが“生きる”ということ

1398
01:32:03,309 --> 01:32:08,231
2019年４月10日

1399
01:32:13,361 --> 01:32:15,154
“ローガン国際空港”

1400
01:32:25,998 --> 01:32:27,875
“国立記者会館”

1401
01:32:38,427 --> 01:32:39,637
{\an8}〝報道席〞

1402
01:32:55,194 --> 01:32:56,737
同じ気持ちよ

1403
01:33:06,831 --> 01:33:09,417
会見を始めたいと思います

1404
01:33:09,500 --> 01:33:12,003
提供はアメリカ国立科学財団

1405
01:33:12,753 --> 01:33:14,088
{\an8}こんばんは
ブリュッセル　ベルギー

1406
01:33:14,088 --> 01:33:14,171
{\an8}ブリュッセル　ベルギー

1407
01:33:14,171 --> 01:33:17,883
{\an8}ブリュッセル　ベルギー
間もなく
記者会見が始まります

1408
01:33:17,883 --> 01:33:17,967
{\an8}ブリュッセル　ベルギー

1409
01:33:17,967 --> 01:33:19,677
{\an8}ブリュッセル　ベルギー
世界６ヵ所
同時の発表となります

1410
01:33:19,677 --> 01:33:21,887
{\an8}世界６ヵ所
同時の発表となります

1411
01:33:21,971 --> 01:33:23,180
{\an8}サンティアゴ　チリ

1412
01:33:23,180 --> 01:33:26,434
{\an8}サンティアゴ　チリ
天文学にとって
歴史的な日となります

1413
01:33:26,434 --> 01:33:26,934
{\an8}サンティアゴ　チリ

1414
01:33:27,018 --> 01:33:30,438
{\an8}東京　日本

1415
01:33:30,896 --> 01:33:34,734
{\an8}台北　台湾

1416
01:33:37,820 --> 01:33:41,198
お集まりいただき
ありがとうございます

1417
01:33:41,282 --> 01:33:44,744
ブラックホールは
宇宙で最も不思議な天体です

1418
01:33:45,453 --> 01:33:47,913
世界中の
研究者が集まりました

1419
01:33:47,997 --> 01:33:51,751
総勢約200人
60ヵ所の研究所

1420
01:33:51,876 --> 01:33:54,462
20ヵ国以上の協力を得ました

1421
01:33:54,962 --> 01:33:57,048
10年以上をかけて

1422
01:33:57,131 --> 01:34:00,009
未知なる存在の
姿を追い求めました

1423
01:34:00,926 --> 01:34:04,221
ここに発表できることを
うれしく思います

1424
01:34:04,305 --> 01:34:07,642
見えるはずのない物の
姿を捉えました

1425
01:34:08,768 --> 01:34:13,230
ブラックホールの写真を
お見せします

1426
01:34:15,232 --> 01:34:16,359
こちらです

1427
01:34:19,987 --> 01:34:23,991
ブラックホールを証明する
物的証拠です

1428
01:34:24,533 --> 01:34:25,576
これにより

1429
01:34:25,660 --> 01:34:28,829
太陽質量の約65億倍を持つ
ブラックホール

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01:34:28,913 --> 01:34:31,499
Ｍ87の存在が証明されました

1431
01:34:33,334 --> 01:34:35,795
これは ほんの始まりです

1432
01:34:50,935 --> 01:34:52,687
“ブラックホールの
撮影に成功”

1433
01:34:56,107 --> 01:34:57,983
“史上初の偉業”

1434
01:35:02,071 --> 01:35:06,117
“宇宙の謎が
また１つ明らかに”

1435
01:38:40,164 --> 01:38:44,418
日本語字幕　佐藤 雄二

